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zoom RSS 明治日本の産業革命遺産のユネスコ登録への経緯

<<   作成日時 : 2015/07/09 14:51   >>

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「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録

今回、7月5日に、日本の急速な近代化を支えた、製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業の遺構や施設が、「明治日本の産業革命遺産」として、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されることに決定した。対象は、19世紀後半から1910年までの期間に、日本を産業国家として発展させる礎となった23の遺構・施設である。長崎県の「軍艦島」や福岡県の八幡製鉄所、静岡県の韮山反射炉)など、九州から東北の8県に跨っている。これらは我が国が、西洋技術を導入して日本独特の技術と織り交ぜながら重工業を発展させた歴史を物語るものである。ところが、我が国がこれ等の国家遺産をユネスコに登録しようとしたところ、韓国から異論が出た。これ等の遺産のいくつかで、韓国人が強制的に酷使されたという歴史があり、人道的に世界遺産としては適切ではないと言うのである。そして該当する遺産は、
●八幡製鉄所
●三池炭鉱
●長崎、端島(はじま)炭鉱(通称・軍艦島)
●三菱長崎造船所の3施設
●高島炭鉱
であると主張して来たのである。

我が国の世界文化遺産登録に対するこのような韓国の言いがかりは、韓国による国家ぐるみの、特に大統領と外交通商相らによる画策があったことは間違いない。以下に、各新聞やネット報道による情報をまじえながら、今回の世界文化遺産登録の経緯を辿ることにする。

先ず、5月4日に、ユネスコからわが国に対し,世界文化遺産登録の韓国があった。しかし同日、すかさず韓国はわが国に対し、『強制労働の事実があった』として、』登録申請に対して異議を唱えて来た。
これにたいし、岸田外相は、5月8日に、登録対象は韓国の主張する時期と年代が相違していること、戦時中とは違う歴史的背景を重視していることを主張している。

しかし朴クネ大統領は5月20日に、ユネスコ事務局長に対し、直接、日本の今回の世界文化遺産登録が不適切である旨を訴えている。

さらに、6月12日には日韓の局長クラスは、5月22日には、東京で、6月9日にはソウルで双方の意見の相違の調整を行っている。

この間、尹外相は、「強制徴用の明示」を日本政府に強く要望している。それだけでは我慢できず収まらず、さらに彼は、ご丁寧にも、6月12日に、ユネスコ世界遺産登録の幹事国であるドイツを直接訪問し、日本の世界遺産登録の不当性を、ドイツの当事者に直接、訴えている。所謂、韓国の得意とする告げ口外交を行ったのである。果たして、ドイツは、どのような返答を与えたかは知らない。彼はこれだけでは我慢できず、ユネスコへの登録幹事国のクロアチアとマレーシャに対し、協力を要請している。

さらにその後、どのような経緯があったかはよくは知らないが、ソウルでの日韓当事者間では、「日本も韓国の釜山周辺での文化遺産登録に協力する」と云うことで和解が成立していたかに見えた。そして6月22日には、珍しく尹外相は、就任後、3年ぶりに初めて日本を訪れ、日韓和解ムードを盛り上げた。日本と韓国が22日に国交正常化50年を迎えるのを前に、彼は来日して、岸田外相と会談したのである。そして、同日、東京とソウルで行われる記念式典に、安倍首相と朴槿恵大統領がそれぞれ出席する道筋を作った。それと同時に、世界文化遺産登録でも、日韓共に協力し合うことが約束されたかのように見えた。

しかし(参考1)によれば、ドイツ・ボンでユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会が開かれた7月4日の審議直前の3日の日韓両国の事前調整の際、韓国側が予定していた発言内容を日本側が問題視し、最終調整が続いた。

韓国側が発言内容を事前に日本側(日本政府関係者)に示したところ、日本側は朝鮮半島出身者の動員に関する部分が「日本に厳しい内容だ」とし、日本側が許容できる内容になるよう修正を要請した。韓国側(韓国政府関係者)は「韓国の発言内容は日韓の合意事項ではない」と反発し、調整が続いた。日本側には話し合いがこじれた場合、「投票になる可能性もある」との声も出ていたそうである。

第二次世界大戦の当時、日本国内では、国民にに対して戦時非常体制として徴用制度が課され、工場で緊急増産の一員として労働する体制が課された。当時は朝鮮半島出身者(韓国人)も日本国籍であった。したがって朝鮮半島出身者(韓国人)と言えども、徴用制度からは免れるはずはなかった。彼等は、韓国人のみが、特別、強制的に過酷な労働を強いられたように、強制性を強調しようとする。彼等には、この強制性を声高に叫んで、慰安婦問題と同様に、日本タカリの根拠にしようとしている。

この強制性の問題で、韓国側と日本側とでは、表現の強弱に相違があった。これが双方の争点となって、結論は7月4日の持ち越された。(参考2)によれば、
世界遺産委員会は、当初、4日午後3時(日本時間同日午後10時)から始まる審議で「産業革命遺産」を扱う予定だった。しかし、日韓の協議が難航したため、5日午後3時(日本時間同10時)から始まる審議に先送りされた。4日には、前日に続いて日韓以外の委員国が、日韓双方の意見の相違の問題について会合を開き、対応を協議した結果、『審議を5日に先送りし、日韓双方間の話し合いを続けるべきだ』との意見が出された。議長国のドイツは、このような意見を参照し、各国の意向を聞いた上で、先送りを判断した模様であった。
とある。この時点で、各国の間から、戦争中のことではあり、当時の朝鮮半島出身者としても、文化遺産への登録候補としての建造物内での労働はやむを得なかったと云う発想が出なかったのは、誠に残念なことであった。この時点で、既にして、議長国ドイツを始め、多くの国が韓国の尹外相らのロビー活動に毒されていたのではないかと言う懸念が湧き上がって来るのである。

なお、(参考3)の読売新聞の記事や、(参考4)の朝日ディジタルの記事は、最後の7月4日の最終決定日のユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会の様子を述べている。(参考3)の記事を引用すれば、
@文化遺産への登録に当っての日韓の合意は、5日の審議直前であった。
Aこの合意では、日本側が譲歩した。
B譲歩の内容として、日本側は次の2項目を述べた。
a. 「1940年代に、意思に反して連れて来られ、厳しい環境で労働を強いられた」朝鮮半島出身者が多く存在したことへの理解を深めるための措置を講じる。
b. 「被害者を記憶にとどめるため」の情報センターの設置を検討する。
C韓国代表団は「日本が誠意をもって実施すると信じる」と述べた。
とのことである。両国の代表によるこれ等の表明の後、各国代表による採決が行われ、全員一致で、ユネスコへの世界遺産登録が決定した。

確かに、我が国は、九州から東北の8県に跨る23の遺構・施設よりなる「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録に成功した。しかしその反面、韓国との外交では、完膚なきまでの敗北に終わった。韓国は、日本に対し、戦争中、徴用と称する、日本人ならほとんど誰でも経験した奉仕的労働を、彼等の意に反した、日本政府による無理やりの強制労働と言う名称に置き換えることに成功した。これは彼等の大成功であり、日本の外務官僚は、韓国の外務官僚に完敗したことになる。

恐らく彼等は、慰安婦の強制性と同じく、徴用労働の強制性は、1965年の日韓基本条約の適用外であると言い募り、これを日本への個人賠償の道具に使うだろうことは、間違いない。日本政府・外務省は、韓国に対して大失策を演じたことになる。これによって、岸田外相の次期総理への道は閉ざされるかもしれない。

******************************


(参考1)遺産登録なお調整 日韓、ユネスコ委審議巡り (2015年7月4日05時00分) 朝日デジタル http://digital.asahi.com/articles/DA3S11840497.html
 「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録をめぐり、日韓の対立が再燃している。ドイツ・ボンで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会で4日にも審議されるのを前に、韓国側が予定している発言内容を日本側が問題視。3日も最終調整が続いている。
 韓国側は、今回日本が登録をめざす23資産のうち7資産で、植民地時代に朝鮮半島出身者が「強制労働させられた」と主張。こうした歴史を無視しているとして登録に反対していた。その後、両国は6月21日に東京で行った外相会談で登録に向けて協力することで一致した。
 複数の日韓関係筋によると、日本側は世界遺産委員会の審議で23資産の概要を説明する際、多数の韓国人らが一部の施設で本人の意思に反して連れてこられ、厳しい環境で労働を強いられたといった内容も盛り込む予定で、韓国側も了承していた。全会一致で登録が決まることを想定。日本側の発言の後で韓国側が発言することになっていた。
 しかし、韓国側が発言内容を事前に示したところ、日本側は朝鮮半島出身者の動員に関する部分が「日本に厳しい内容だ」(日本政府関係者)とし、日本側が許容できる内容になるよう修正を要請した。韓国側は「韓国の発言内容は日韓の合意事項ではない」(韓国政府関係者)と反発。調整が続いている。日本側には話し合いがこじれた場合、「投票になる可能性もある」との声も出ている。

(参考2)世界遺産審議、5日夜に先送り 日韓「動員」巡り協議 ボン=東岡徹、渡辺志帆、編集委員・中村俊介 2015年7月4日22時11分 朝日新聞http://digital.asahi.com/articles/ASH74659BH74UHBI01S.html
 ドイツ・ボンで開催中のユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会で、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録を審議する日程が、当初予定された4日から5日にずれ込んだ。一部の資産で朝鮮半島出身者が動員された歴史の説明をめぐる日韓の対立で調整が続いていたためだが、複数の日韓政府関係者は合意に近づいているとしている。
 世界遺産委員会は当初、4日午後3時(日本時間同日午後10時)から始まる審議で「産業革命遺産」を扱う予定だった。しかし、日韓の協議が難航。5日午後3時(日本時間同10時)から始まる審議に先送りされた。4日には、前日に続いて日韓以外の委員国が日韓の問題について会合を開き、対応を協議。審議を5日に先送りし、日韓の話し合いを続けるべきだとの意見も出ていた。議長国のドイツが各国の意向を聞いて、先送りを判断したとみられる。5日は新規案件の審議の最終日となる。
 構成資産のある静岡県伊豆の国市や鹿児島市は、4日に審議を見守るパブリックビューイング(PV)で登録を祝おうと予定していたが、審議日程が流動的となった段階で中止した。
 韓国側は、今回日本が登録をめざす23資産のうち7資産で、植民地時代に朝鮮半島出身者が「強制労働させられた」と主張。こうした事実を無視したまま、産業革命遺産だけを美化し、世界遺産に登録することに反対してきた。
 複数の日韓関係筋によると、日本側は審議で韓国側の主張を踏まえ、資産の概要を説明する際、多数の朝鮮半島出身者らが一部の資産で本人の意思に反して連れてこられ、厳しい環境で労働を強いられたといった内容も盛り込む予定で、韓国側も了承していた。全会一致で登録が決まることを想定していたが、日本の説明の後で韓国側の発言する予定の内容を日本側が確認したところ、朝鮮半島出身者の動員に関する部分が日本に厳しい内容だとして、日本側が受け入れられる内容に直すよう求めた。韓国側は「韓国の発言内容は日韓の合意事項ではない」(韓国政府関係者)と反発。調整が続いている。日本側には話し合いがこじれた場合、「投票になる可能性もある」との声も出ている。
 世界遺産委員会は21カ国で構成される。紛糾して投票になった場合、登録には有効票の3分の2が必要になる。今回、日韓の対立に巻き込まれるのを嫌って棄権する国が出るおそれもあり、日本が3分の2を確保できるか見通せない。議長の判断で翌年以降に先送りにする可能性もあるが、来年は日本が委員国を外れるのに対して韓国は残る。今回を逃すと登録は厳しくなるとの指摘もある。(ボン=東岡徹、渡辺志帆、編集委員・中村俊介)

(参考3)明治の産業革命、世界遺産に…日本は韓国に譲歩 (2015年07月06日 01時55分) 読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/culture/20150705-OYT1T50086.html
【ボン(ドイツ西部)=工藤武人、田中洋一郎】ドイツのボンで開かれている国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は5日午後(日本時間5日夜)、「明治日本の産業革命遺産」(福岡など8県、23資産)の世界文化遺産への登録を、韓国も含む21委員国の全会一致で決定した。

 8日に正式登録される。

 「産業革命遺産」の審議は当初4日に予定されていたが、審議での発言内容などを巡り日韓の対立が続いたため、1日遅れで行われた。日韓は5日の審議直前に合意に達した。

 合意に沿い、日本代表団は登録決定後、構成資産の一部について、「1940年代に、意思に反して連れて来られ、厳しい環境で労働を強いられた」朝鮮半島出身者が多く存在したことへの理解を深めるための措置を講じる方針を表明。「被害者を記憶にとどめるため」の情報センターの設置を検討するとも述べた。日本側が事実上、譲歩した形だ。

 一方、韓国代表団は「日本が誠意をもって実施すると信じる」と述べた。

 「産業革命遺産」を巡って、韓国は5月、強制労働に関わったと主張する7施設の登録反対を表明した。6月の日韓外相会談では、両国が登録に向け協力する方針を確認した。しかし、韓国は世界遺産委員会で、構成資産の一部で「朝鮮半島出身者に対する強制労働」があったことを決議文や発言で明示するよう日本側に要求。日本側は「強制労働とは呼べない」などと反論し、調整が難航した。

 「産業革命遺産」は、薩摩、長州両藩などが幕末に手がけた反射炉をはじめ、明治後期の官営八幡製鉄所や三池炭鉱、三菱長崎造船所まで、西洋の技術を日本の伝統と融合させた日本の重工業発展の歴史をたどる。三菱長崎造船所の大型クレーンなど、これまでの日本の世界遺産にはない稼働中の資産もある。「軍艦島」として有名な端島はしま炭坑も含まれる。
 国内の世界文化遺産は15件目、自然遺産を含む世界遺産としては19件目となる。
 国内では2013年に「富士山」(山梨、静岡県)、14年には「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)が世界文化遺産への登録が決定しており、3年連続の登録決定となる。
    ◇
 安倍首相は5日夜、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録決定について、「心からうれしく思う。この素晴らしい遺産の保全と次世代への継承に向け、決意を新たにしたい」などとする談話を発表した。
2015年07月06日 01時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

(参考4)明治の産業遺産の登録決定 「徴用工」表現、日韓が合意 東岡徹=ボン、佐々波幸子 2015年7月6日00時54分 朝日デジタルhttp://digital.asahi.com/articles/ASH755FLLH75UHBI011.html



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内 容 ニックネーム/日時
‥日本の古代史は消去済みの無料検索ですが、
欧米貴婦人向け歴史教科書に日本人は人間じゃない定義を強調した
「フクロウの本」シリーズならずとも、
メソポタミア系数秘術に悪魔第1の従者タミル‥
天竺タミルのカメカン墓57調の歌謡いが日本に伝えた稲作、
その
神米に
[死ね]とか
[去ね]の漢字を当てた百済系渡来人の覇道。

古墳時代末期、
箕氏の反乱浦氏の反乱は
天皇家を凌ぐ権勢を誇った罪=下克上は許されない‥

裏切りの
[箕]氏は易経で褒めてあるが
易姓革命戦後は
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人日人の蓄財は許されない赤字公債だらけのポスト冷戦経営/ご当地ドイツだよ?

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ジョンキング「数秘術」
昔の日本史年表他
巳蛙
2015/07/11 06:37
日蛙 様
コメント、有難うございました。
深山飛水
2015/11/05 10:17

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