日本国憲法・前文は、平和への安易な思い込み!

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新年早々ではあるが、たまたま日本国憲法の本を眺めていた。年の初めということもあり、先ずは日本国憲法の前文から眺めることにした。戦後、日本国憲法が新たに制定された時の考え方の基本が書いてあるように思えたからである。

ご参考までに、日本国憲法の前文の文章を、『(参考1)』に示す。

筆者は、この前文の文章で、次の3つの文章を取り上げることとした。

①日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
②平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
③いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

これらについて筆者の見解を述べる。
①について
『日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚する』とある。恒久の平和を念願するのは、誰しも同じである。しかし『人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く理解する』となると、これは少なからず疑問である。『人間相互の関係を支配する崇高な理想』とは、『国家相互の人権尊重』、『国家間の領土保全』、あるいは『国家間の主権の尊重』を意味しているのであろうか。もしそうであるとすれば、『これらを深く理解する』こと自体に問題があるのである。我が国自身がそのように考えても、他国は必ずしもそうは考えない。我が国と他国との間に、このような考え方の相違がある時に、国家相互間の国際関係で、不利を招くのは我が国だけである。

②について
『平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会』とあるが、これは真っ赤な嘘である。現実に、
●自国民のみならず他国民の人権をも尊重せず、先軍政治を行なっている独裁国家が存在し、
●他国の権益や領海、領土まで自国のものとして主張し、軍事的に他国、特に隣国の各国を侵犯しようとし、現実にその行為に出ている人権無視の独裁国家が、すぐ隣りに存在する、
●国際連合は、安保理で拒否権を発動できる5ヶ国によって牛耳られている、
と云うのに、この『』内の記述は余りにも現実からかけ離れている。

③について
『いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務である』という文章は、世界的視野から言えば、そうあって欲しい理想的目標ではあろう。しかしこの理想を守る国家が、今日、地球上にどれだけ存在すると云うのであろうか。日本だけが「各国は自国の平和を守り、他国の平和をも尊重する」としても、他国は、果たしてそうであろうか。この③の主張こそ、正に『一国平和主義』の独りよがりの主張である。

我が国の憲法の前文は、まさに理想的な国家間の在り方を謳い、各国がそのあり方を固く信奉することを前提として日本国憲法を制定することを強調している。このような前提の下に制定された憲法は、実情に即した憲法とは言えない。現在の国際情勢は、憲法の前文が想定しているような国際情勢ではない。そして「このような国際情勢がいつの日か、好転するであろう」などとはとても思えない。このような思想を前提とした我が国の憲法は、徹底的に改訂されねばならない。このような前提を何時までも憲法制定の根拠としていると、遠からず我が国は他国に併呑されることになろう。日本国憲法・前文には、何もしなくても、我が国の安全と平和が維持され、安全が保障るという安易な思い込みがある!

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(参考1)日本国憲法http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E5%89%8D%E6%96%87
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

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