11月13日の鳩山・オバマ日米首脳会談の問題点?

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日米首脳会談後の共同記者会見で

昨日13日、オバマ大統領が来日し、首相官邸で鳩山首相と首脳会談を行った。午後7時から午後8時半ころに及ぶ会談であった。会談終了後、共同記者会見が行われた。その要旨が、朝日新聞のネット記事 『(参考1a)と(参考1b)』 に示してある。この中で筆者は、特に鳩山首相の発言で、少なからぬ懸念を感じた点がある。それについて述べたい。
(1)日米同盟について
鳩山首相は「日米同盟の深化」に名を借りて、防災、医療、保健、教育、環境問題などで協力関係を築きたいと表明している。真の日米同盟の深化はもっと別の所にある。日米同盟というのは軍事同盟だ。軍事面で協力体制を一層強化し深化させることが、真の日米同盟の深化である。鳩山首相は、この事実から逃げて、論点を軍事的安全保障を高めることから、別の問題にすり替えようとしている。一国の首相として極めて卑怯である。真の日米同盟の重要性を考えるならば、もっと双務的な防衛面での協力体制を深化させるべきであり、日本自身が個別的自衛権だけでなく、集団的自衛権を強化することを表明すべきである。もし表明できない情勢であれば、それに向かうべき決意を示すべきであった。

鳩山首相は、日米同盟を、「防災、医療、保健、教育、環境問題などの協力関係」にすり替えようとしている。その一方で、オバマ大統領から、アジアにおける米国のプレゼンスの重要性を指摘され、日米同盟が基軸にあるからこそ東アジア共同体の構想を立てることができることを認め、アジアでの米国のプレゼンスを期待している。ここでの「日米同盟」は何を意味するのか。ここでも日米同盟という軍事的同盟の力が背景にあることを認めないと言うのか。

(2)アフガン支援について
鳩山首相は、『アフガニスタン支援問題では補給支援活動ではなく、民生支援を充実させたい』と述べ、オバマ大統領は、『(日本による向う5年間での50億ドルアフガン民生支援と10億ドルのパキスタンの民生支援について)、 アフガニスタン、パキスタンでの協力関係ではお礼を申し上げたい』と感謝の意を表明している。そしてインド洋給油活動の中止には何の反論をも示さず、軍事的支援を要求していない。

しかし特にアフガンでの民生支援には重大な疑念がある。民生支援として支出した金が本当に民生支援として生きるかということである。何故なら、アフガンに存在する汚職構造の監視体制がないこと、タリバン兵からパキスタン側に復帰した元兵士の再教育の確認体制がないことなどは、貴重な支援金の流れを不透明にする。却ってタリバンを経済的に援助していることになりかねない。このようなことが起きるのは、支援金に対する厳重な監視体制がないからである。そこには日本側による警察力ないしは軍事力による金の流れの監視体制が必要である。それには日本は自衛隊をアフガンへ派遣する以外には手段がない。要は、経済支援を確実にするには、自衛隊を派遣する以外にないということである。自衛隊を派遣しない経済支援は無意味である。

(3)普天間基地問題
鳩山首相は、オバマ大統領にたいし、「普天間基地の移設について、ハイレベルのワーキンググループを設置し、できるだけ早い時期に解決する。日本政府として前政権の日米合意を重く受け止めている。ただ、今回の選挙で、沖縄県人に対し、県外または国外移設を公約し、沖縄県民の期待が強まっているので、この問題の解決が困難になっている。そしてこの問題は、時間がたてばより解決が難しくなる」と言っている。

これにたいし、オバマ大統領は、「この作業部会は、『在沖米軍再編に関する日米合意の履行』に焦点を絞るものだ。作業を迅速に完了することを希望している」と答えている。

米国の考えは、終始一貫して変わらない。結論は決まっている。鳩山内閣は早急に、日米合意の線に従って結論を出すべきである。そして沖縄県民に謝罪すべきである。

鳩山内閣は初めから道を誤っている。選挙公約で、沖縄県民に『県外や国外という変な期待』を持たせるべきではなかった。鳩山氏を中心とする内閣の人物には、まるで地政学的感覚も戦略的感覚もない。国外と言うが、一体、米国以外のどこへ移すと言うのか。そして米国がこれを受け入れるはずがない。米国は沖縄が戦略的に視て最良の場所と考えている。例えばグアムに移すとすると、米軍が東アジアを見据えた戦略的価値は全く無くなる。県外と言っても、日本国内のどの県が喜んで受け入れると言うのか。仮にあっても、米軍がそれを承知しない。沖縄は、薩南諸島と沖縄諸島を含む南西初頭の丁度中間点にある。たとえば、米軍基地が、九州にあるのと沖縄にあるのとでは、台湾や中国に対する米軍の存在感がまるで違う。

そして鳩山氏やその周辺は外交感覚が『ゼロ』である。日米両国間の国家として決めた合意を、政権が変わる度ごとに変えることは、国としての信用を失墜する。

もし、鳩山内閣が、米国の要求する『日米合意履行』に従えないとするならば、早々に日本の国政を遂行する立場から退くべきである。

鳩山氏は、「日本列島は日本人のみのためのものではない」と言ったが、沖縄にもその言葉を適用してはどうか。「沖縄は沖縄県人だけのためのものではない」のではないか。

さらに提案がある。沖縄県人の、沖縄県以外への移住を計るべきである。沖縄県人が父祖の地に対する熱い思いは分かる。しかし沖縄県人は日本人でもある。沖縄県人を沖縄県以外の46都道府県のそれぞれに、平均して1万5千人ずつ移住させれば、79万人が移住することになる。その結果、沖縄県に在住する人口は138万人から59万人に減る。

今、鳩山内閣の行うことは、普天間基地を既定路線に従い、キャンプ・シュワブの沖合に移すよう急遽行動に移すべきである。そのための沖縄県民の説得は政府の責任において行わねばならない。一刻の遅疑逡巡も許されない。

以上、今回の日米首脳会談に関連する鳩山内閣による日本政府の採るべき方針について、筆者の見解を述べた。解答が限定されているとき、これを決定遂行するには、決断の一言に尽きる。鳩山内閣は速やかにそれに従うべきである。もしそうでなかった場合には、鳩山内閣は国際的信用を失墜し、政権運営が困難となるであろう。


**********************(終わり)************************


(参考1a)日米首脳会談 共同会見の要旨(1/2ページ) (2009年11月14日0時44分) 朝日新聞

 鳩山由紀夫首相とオバマ大統領の共同記者会見の要旨は以下の通り。
 ■鳩山首相 日本外交にとって日米同盟がすべての礎。時代の変遷、世界環境の変化によって、日米同盟をさらに深化、発展させていきたい。建設的、未来志向の新しい日米同盟を作り上げていきたい。1年かけて新しい協議のプロセスを進めようと提案し、大統領の了解を得た。
 日米同盟は、新しい安全保障のシステムを構築する必要がある。防災、医療、保健、教育、環境問題もそうだ。
 アフガニスタン支援問題では補給支援活動ではなく、民生支援を充実させたい。気候変動問題では2050年までに80%削減という大きな目標に日米で合意した。気候変動枠組み条約の締約国会議(COP15)を成功させるために協力しようと一致した。
 アジアにおける米国の重要性について大統領から指摘があった。東アジア共同体を構想しているのも、日米同盟が基軸にあるからこそ。アジアでの米国のプレゼンスが高まることを大いに期待したい。

 ■オバマ大統領 日米同盟は両国だけでなくアジア・太平洋地域の安定と繁栄の基軸だ。ユキオと私は「変化をする」と約束して選ばれたが、同盟関係が強固なもので、友好関係がさらに強いものになることは間違いない。
 アフガニスタン、パキスタンでの協力関係ではお礼を申し上げたい。核兵器の拡散を阻止し、核のない世界を目指す努力の中で、日本は傑出したパートナーだ。
 ■首相 普天間飛行場移設ではハイレベルのワーキンググループを設置し、できるだけ早い時期に解決すると申し上げた。日本政府として前政権の日米合意を重く受け止めている。ただ、選挙の時に、県外、国外(移設)と申し上げたことも事実。沖縄県民の期待感は強まっている。大変困難な問題で、時間がたてばより解決が難しくなる。

(参考1b)日米首脳会談 共同会見の要旨(2/2ページ) (2009年11月14日0時44分) 朝日新聞
 大統領 作業部会は、在沖米軍再編に関する日米合意の履行に焦点を絞るものだ。作業を迅速に完了することを希望している。
 我々は、「核のない世界」というビジョンを、長期的目標として共有している。具体的な措置をとらなければならない。核兵器が存在する限り、我々と同盟国のための抑止力を維持していく。
 広島と長崎で原爆が投下されたことにより、日本は核兵器について特有の視点を持っている。首相が深い関心を持っているのはよく分かる。私が広島と長崎を将来訪れることができれば、非常に名誉なことだ。短期的には訪問の計画はないが、私にとって有意義だと考えている。
 北朝鮮については、核実験や好戦的な行動を非常に懸念している。北朝鮮に対し、国際社会に再び参加する扉があるということを伝えたい。
 ■首相 アフガン支援では、テロの根源を断つという民政支援中心の支援が日本流の望ましい支援だと考えた。




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