「8都県市首脳会議」の不思議な言い分?

今日の11月15日に、首都圏の4都県と4政令指定市の首長が集まって、「8都県市首脳会議」なるものを、横浜市で開いた(参考1)。

この会議は、各自治体が独自に首長の多選を禁止する条例を定められるように、公職選挙法の改正を求める意見書をまとめた。首長の多選を法制化によって一律制限しようとする国の動きを牽制するためらしい。

この会議は、「異なる地方にたいして、一律の法律で多選を制限する」のではなく、「地方自治体ごとの条例で多選を制限できる」ことが明確になるように、関係法令を改正することを主張しているそうである。これは、地方の自主性・自律性を拡大するために意味があると主張している。

現在、自民党は、石原幹事長代理が中心となり、知事や政令指定市長について4期以上は公認、推薦しない方針を決め、菅総務相も法制化の検討に積極的だ。このような動向は、我々、一般市民からすれば、縁のない話のようである。 しかし、同じ人間の多選によって、業界との癒着が生じたり、裏金の蓄積などが行なわれ、これらに使われる金銭が、 一般市民が地方自治体に納める市町村民税などによって納めた金によって賄われるものであるとすれば、我々市民は許すことができない。これは公金横領である。

自殺者まで出てしまった最近の岐阜県庁に纏わる裏金事件や、福島県知事の業者や親族との癒着事件は、県知事が4選ないしは5選を繰り返した結果起こった事件である。正に「流レザル水ハ腐ル」のである。地方自治体の首長が、同じ椅子に余りにも長く座り続けることは、決して良くない。首長の変わることによって、人心を新たにし、緩んだ気持ちを一新させることは政治の大前提である。これに遅疑逡巡することは許されない。

このような見地からすると自民党の「4選以上は公認、推薦しない」というのは、余りにも甘いと思う。「3選以上は公認、推薦しない」 とすべきである。 しかも 「公認、推薦しない」 というのも甘すぎる。 「3選以上の立候補は禁止される」とするべきである(参考2)。

「8都県市首脳会議」は、「各自治体が独自に首長の多選を禁止する条例を定められるように、公職選挙法の改正を求める」と言っている。しかし、これは立候補が3期までに一律限定されてしまうことを警戒する以外の何物でもない。さらに、これは、地方によっては4期以上まで多選を条例で定めることを法律上肯定させようとするものであり、「地方の自主性・自律性を拡大」を隠れ蓑にして、多選を禁止しようとする傾向に対し抵抗するものである。この意見には賛成できない。

ある程度以上の多選を認めないと、地方政治の目指す政治方針の結果の実効性が認められないなどと言うのは屁理屈である。前任者の善政は後任者によって当然継承されるべきであるし、またそれが継承されるような政治でなければならない。為政者が頻繁に変わるようでは、政治の一貫性がないというのでは困る。善い政治方針は為政者の交代によって滞ることなく続けられ、悪い方針は、その都度、修正されねばならない。これが政治というものである。
このような意味から、「8都県市首脳会議」の結論には反対である。

多選が収賄等と関係があるかと思ったら、今回の和歌山県知事の業者との談合による収賄事件は2期目にして起こった。この事件は一期目の知事時代の業者との癒着の結果生じたもので、汚職が必ずしも知事の当選回数には比例しないことを物語っている。この事件は地方首長に許される任期数はなるべく短く制限されるべきであることを如実に物語っている。

今後、政府は、地方の自主性・自律性の助長を計ると同時に、地方自治体首長の多選禁止(3期以上は禁止する)や、地方選挙のあり方も含めて規制を強化せねばならないだろう。


06/11/15   東郷 幹夫

(参考1)http://www.asahi.com/politics/update/1115/013.html
(参考2)「安部内閣は知事の任期を2期とせよ!!」について
http://mikitogo.at.webry.info/200611/article_8.html

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