遺言書の内容を遺言者の死亡前に実行する詐欺行為

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遺言者Aが作成した遺言に記載された内容、すなわち「遺産を某氏Bに譲る」と云う内容を、遺言者Aが死亡する前に、A氏自身、あるいはA氏以外の誰かが、実行してしまったとすれば、どのようなことになるのであろうか。もっと具体的に言って、

かりに遺言者Aが、生前に、親族の一人、あるいは親族以外の人Bに、その財産を譲り、かつ財産管理の権限を委譲することを明記した遺言書を、公証人二人を立てて作成していたとする。そしてこの公正証書に記された内容である財産管理に当たる行為、例えば定期預金の引き下しを、遺言者の生前中に、『誰か』が行ったとする。

これは明らかに犯罪である。法律は民法・第985条で遺言の効力の発生時期を下記のように定めている。六法全書、例えば『サイバー六法http://www.cyber-den.info/cyber-law/minpou/985.html)』によれば、

第985条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

とある。

この法律によれば、遺言の効力は、遺言者が死亡しないと発生しない。すなわち遺言者の生存中は、遺言の内容は効力を発生しない。 したがって、この『誰か』が、何人であろうと、このような行為、すなわち財産の私有化や売却、定期預金の引き下しは、絶対に許されない。これは『誰か』が、仮に『遺言者の親族』であろうと、さらには『遺言によって遺産相続の資格と権限を与えられた当人』自身であろうと許されないはずである。したがってこのような行為を、遺言者の生前中に、親族の誰か、あるいは遺言の受益者当人自身が、行うことはできない。もし敢えて行ったとすれば、法律違反である。違反者は法律に照らして罰せられねばならない。

かりに、遺言者当人が、生前中に、精神状態不安定、善悪、利益不利益などの価値判断能とと決断能力が低下した意識耗弱状態を狙って、遺言者自身の意思であるかの如く装って、自分に都合のよい行為を、遺言者の意思であるかの如く、遺言者の意思を代行するとして、遺言書の内容を遺言者の死亡前に実行に移す行為は、重大な詐欺行為である。このような行為は絶対に許すことはできない。







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