万里の長城で遭難事故を起こしたAmusementTravel?

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「アミューズメント・トラベル」が、また遭難事故を起こした。日本経済新聞や毎日新聞の記事『(参考1)、(参考2)』は、その詳細を述べている。それによれば、
①遭難場所:中国河北省懐来県横嶺村付近の万里の長城
②遭難日時:11月5日夜(報道では明記されていない)
③遭難者:(a)死亡:柳井俊一郎さん(76歳、福岡県)、渡辺邦子さん(68歳、埼玉県)、小川陽子さん(62歳、東京都)添乗、(b)凍傷:渡辺美世施(みよせ)さん(59歳)、明平銘さん(25歳、中国人添乗員)
であることを伝えている。そし遭難の原因は、
(a)『事故前日には天候の悪化を把握していたものの、当日の朝、霧雨だったことから、予定通りツアーを行う』と云う添乗員とガイドによる安易な判断があった(アミューズトラベルの板井克己社長の話)、
(b)直接の原因として、次のような装備の不備と不注意があった:
   ●天候が崩れて雨が降り始めていたのに出発した。
   ●装備が、全く不十分で、1人用の簡易テント1つだけしか用意しなかった。
   ●そのテントも途中で落して紛失した。
ためである。

坂井社長は上記の発言で、『添乗員とガイドによる安易な判断』を「あげつらう」ことによって、いかに社員や臨時雇用者に対する教育が不足しているかを、自ら暴露した。しかしもっと重大な原因は、ツアー会社・アミューズメント・トラベルの現地調査不足と安全管理軽視という怠慢に起因する。アミューズメント・トラベルは、このツアーを計画する前に、充分な危険度調査を行ったか? 恐らくそれを行っていないのではないか。この会社は、元々、危機意識が乏しく、人命尊重を重視していないと云う傾向がある。

アミューズメント・トラベルは、3年前の2009年7月16日にも、55~69歳の15人に男性ガイド3人という構成による北海道の大雪山への登山ツアーで、ツアー客7人、ガイド1人の計8人が遭難死亡するという大事故を起こしている。この問題については、筆者の3年前の記事『大雪山系遭難の原因と今後の対策 (作成日時 : 2009/07/25 08:18) 深山飛水の思いつくまま日記http://mikitogo.at.webry.info/200907/article_36.html)』を参照されたい。

今回、遭難した人々にとって、このような事故を起こしているツアー会社の勧誘に応募したことは不幸であった。そしてこれらの人々は、旅行に関する、特に冬山の持つ危険性に関する認識不足が有り、装備に関し完全に無知であったと思われることも災いした。

しかし、いずれにしても、3人の尊い人命を奪ったこのツアーに対するアミューズメント・トラベルの責任は重い。旅行客の安全を守ってこそ、ツアー会社としての存在の意味はある。それができないようでは、全くツアー会社としては、存立する意味がない。


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(参考1)長城遭難事故、主催会社が一部のツアー自粛 (2012/11/7 0:36)日本経済新聞
 中国河北省の万里の長城近くで日本人ツアー客3人が死亡した遭難事故で、主催した旅行会社「アミューズトラベル」(東京・千代田)は6日、募集型の企画旅行の自粛を決めた。「安全性の再点検」が理由で、対象は国内が10~30日、海外が12~30日の出発分。直近の海外ツアー2件と受注型ツアーは「手配上の都合」や「お客様の希望第一」を理由に継続する。
 凍傷を負った富山県の渡辺美世施さんを含むツアー参加者4人の親族はいずれも、6日までに北京市内に到着。訪中している同社の板井克己社長は4人の親族に対し、それぞれ謝罪した。
 同社は募集型の企画旅行は「社会的に大変ご迷惑をおかけした」として一部自粛し、内容について精査する方針で、検討事項は「詳細は詰めていく」。自粛の影響は海外6ツアー約50人、国内は東京営業所分だけで30ツアー約400人。
 事故を起こしたツアーについては「通常雨具と防寒具で対応しきれるが、何十年ぶりの雪は想定外だった」と強調。直近の豪州と南米のツアー2件は十数人の参加希望者からキャンセルの申し出もなく開催を決定。1件は万里の長城と同じ標高1千メートル程度のハイキングで、同社は口頭で寒さに耐えられる装備を求めたという。
 事故を巡っては、福岡県の柳井俊一郎さん(76)と埼玉県の渡辺邦子さん(68)、東京都の小川陽子さん(62)の3人が死亡。添乗員を務めた中国人の明平銘さん(25)も軽い凍傷を負った。同社は事前に下見をせず、天候や実施の判断についても現場任せにしていた。

(参考2)
万里の長城遭難:救助の渡辺さん、両脇抱えられ病院に  毎日新聞 2012年11月06日 11時29分(最終更新 11月06日 13時20分)
http://mainichi.jp/select/news/20121106k0000e040179000c.html
 【懐来県(中国河北省)工藤哲】中国河北省張家口(ちょうかこう)市郊外の万里の長城で日本人観光客4人と中国人添乗員1人が遭難した事故で、遭難現場近くの懐来県横嶺村の診療所で治療を受けていた渡辺美世施(みよせ)さん(59)は6日、懐来県中心部の病院に到着した。在中国日本大使館職員によると、渡辺さんは凍傷を負っているが、回復に向かっており、遭難当時の状況も説明しているという。
 積雪で道路が通行止めになっていたため、渡辺さんは県中心部から南東約40キロの山間地にある横嶺村で治療を受けていた。渡辺さんはサイレンを鳴らした中国公安当局の車両に先導されたワゴン車で病院に到着。渡辺さんとみられる女性は黒い布で顔を覆い、うつむき加減で、当局者とみられる男性2人に両脇を抱えられ、歩いて病院に入った。病院で診察を受け、大使館職員とも面会する。犠牲になった日本人ツアー客3人の遺体は横嶺村の施設に安置されているが、搬送のめどは立っていない。
 ツアーを企画した「アミューズトラベル」(東京都千代田区)によると、渡辺さんの家族や犠牲者の遺族は6日までに北京入りする。
 地元当局者によると、診療所の周囲は5日夜まで約2キロにわたって50センチ前後の積雪が残っており、車では近づけない状態だった。軍の大型車などが6日も除雪作業を行い、県中心部と横嶺村をつなぐ道路が開通した。
 遭難現場周辺では6日朝も道路で動けなくなった車を押す人が見られた。地元の人の多くは積雪タイヤをつける習慣がなく、低速で走行している。現場付近は岩山が連なる地形で、住民によると、万里の長城見学に訪れる観光客は少ないという。

(参考3)ツアー企画の会社が謝罪、万里の長城遭難 (2012年11月8日 23:17) 日テレNews24 http://www.news24.jp/articles/2012/11/08/10217362.html
 中国の「万里の長城」を歩くツアーで日本人3人が死亡した遭難事故で、ツアーを企画した旅行代理店「アミューズトラベル」が8日、北京で会見し、謝罪した。
 アミューズトラベルの板井克己社長らは会見で謝罪した上で、救助された中国人添乗員から聞き取った内容として、事故前日には天候の悪化を把握していたものの、当日の朝、霧雨だったことから、予定通りツアーを行うことを添乗員とガイドが相談して決めたことを明らかにした。
 また、天候が崩れたにもかかわらず、1人用の簡易テント1つだけしか用意がなく、そのテントも途中で落とすなど、当時、装備が不十分だったことも明らかになった。
 事故の原因については、「予想以上に雪が降ったため」との認識を示している。

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