朝日7月7日のオピニオン『尖閣』への筆者の異論!!!

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日中国交正常化から40年の動き(注)

このオピニオンは「東京―北京フォーラム」(言論NPOなど主催)で来日した趙啓正氏(全国政治協商会議外事委員会主任)と前中国大使の宮本雄二氏が、3日、朝日新聞主筆の若宮啓文を中心に語り合った内容を記載している。詳細は(参考1a)~(参考1c)を参照されたい。
なおこの中のごく一部について筆者の感想を述べたい。

それは趙氏による『領土問題を脇に置くことで国交を開いたのは事実。上の世代の勇気と知恵は覚えておくべきです』との主張に関するものである。
これは、重大な間違いであり、シナ人の横柄な主張が透けて見える。その理由を次に述べる。
①1972年の日中共同声明の折に、田中首相の方から尖閣について話を向けたところ、周恩来首相は、今はその話はしたくないと言って逃げたことは事実である。すなわち尖閣所属棚上げ問題は、この時点では存在しなかったのだ。さらに
②1978年の日中平和条約調印時締結時に、鄧小平副総理は、同年、日本を訪問し、10月23日に、「日中平和友好条約」に調印した。その時の日本の首相は福田赳夫氏であった。鄧小平氏は、条約調印前の下打ち合わせで、『尖閣諸島の所属決定は、両国の懸案にしよう』と言ったかどうかは定かではない。仮にそう言ったものとして、福田赳夫首相がそれに同意したかどうかも明らかではない。もし同意の明確な発言がなかったとすれば、その後の記者クラブでの鄧小平氏の発言が問題である。彼は、外国人記者らを前にして、「尖閣諸島の領有問題については棚上げにした」と堂々と言及した。 鄧小平氏が、この言及について、福田首相の了承を得ていなかったとすれば、極めて無礼ではあるが、事後承諾という非常手段を採ったものとしか思えない。巧妙な手段に日本側が騙されたということになる。この記者会見の発言で、『日本側が既に「尖閣領有棚上げ」に同意した』ことを、間接的に日本側に認めさせたことになる。極て巧妙な詐欺まがいの外交手段である。

このような中国側の尖閣棚上げ行為によって、『日中間で尖閣の領土の帰属は決まっていない』とし、『尖閣諸島の中国領有が中国の核心的国家利益である』とする中国側と、『これを無理からぬ』ことと考えようとする福田康夫元首相や明石康元国連事務総長特別顧問等は、日本に対し尖閣について、どのような態度を採れと言うのか。

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(参考1a)〈主筆と論じあう〉日中40年「傷」広げぬために (朝日デイジタル 2012年7月7日03時00分)http://www.asahi.com/news/intro/TKY201207060491.html?id1=2&id2=cabcahah
 日中国交正常化から9月で40年だが、両国間は「四十にして惑わず」には遠い。尖閣問題で開いた傷口をどうするか。開明派で知られる中国の趙啓正氏が「東京―北京フォーラム」(言論NPOなど主催)で来日した機会に、3日、前中国大使の宮本雄二氏と思いのたけを語り合った。
(参考1b)紛争「棚上げ」し共同開発の考え残っている (朝日新聞デジタル記事2012年7月7日03時00分)http://digital.asahi.com/articles/TKY201207060492.html?ref=comkiji_txt_end
中国全国政治協商会議外事委員会主任・趙啓正(チャオ・チーチョン)さん 40年生まれ。上海市副市長、国務院新聞弁公室主任(閣僚級)などを経て、08年3月から現職。中国人民大新聞学院長も務める。
 若宮啓文・朝日新聞社主筆 国交が開かれて40年。山あり谷ありでしたが、最近の世論調査では互いのイメージが最悪。尖閣諸島の争いが大きいですね。
 趙 田中内閣の官房長官だった二階堂進さんに聞いた話ですが、田中角栄首相は訪中前に「尖閣問題を話さなければ国民に説明できない」と言っていた。しかし周恩来首相にそれをぶつけると「その話をすれば正常化できない。これは少し置いておこう」と言われて同意した、と。
 若宮 そんなやりとりは首脳会談の記録に残っています。さらにトウ小平(トウは登におおざと)副首相が1978年に来日して「棚上げ」を表明しました。
 趙 それで双方が一致しているのなら大変喜ばしい。
 若宮 田中首相は異を唱えなかったが「わかった」とも言っていないので、日本政府は「棚上げ」は合意でなく「領土問題は存在しない」との建前を貫いてきました。
 趙 この問題を脇に置くことで国交を開いたのは事実。上の世代の勇気や知恵は覚えておくべきです。
 宮本 日本の立場は正しいし実効支配もしているので「領土問題が存在する」とは認めにくかった。しかし外務省で20年も中国関係をしてきた私が、この問題で相当に時間をとられたのは事実。呼び方はどうあれ問題はあったのです。
 若宮 一昨年9月に中国漁船が海上保安庁の船に体当たりし、船長が逮捕されました。背後に何らかの力があったのでは。船長を英雄視する向きもあったし、中国政府はすごく高飛車でした。
 趙 事件を聞いて、なぜ小さな船が日本の大きな船に、とちょっと理解できなかった。船長はあまり知識がなく国際法の認識もなかったと思う。もし中国政府が仕向けたなら愚かだが、そういうことはないし、英雄でもない。しかし日本政府が逮捕したとなると中国政府が対処するのは当然。日本が国内法に基づいて処理を宣言したのは、日本の領土だと言われるのと同じ。もとより紛争地域なのだから、日本の国内法での処理は受け入れられない。漁船をめぐる事件は何度も起きていたが、こういう対処はそれまでなかった。
 宮本 90年代に中国課長をしてましたが、尖閣は日本領土だという明確な立場の一方で、我々の基本的な姿勢は現状維持。日中双方が行動をとらなくてもいいようにという暗黙の了解のうちに、双方の外交当局は協力し合っていました。ところが90年代後半から現状維持への挑戦が双方から起きてきた。日本には中国の行動が実効支配への挑戦だと映り、中国側には日本の行動が強硬になったと映ってエスカレートした。
 若宮 日本側では右翼団体が灯台を建てたりしましたね。
 宮本 僕らは灯台を建てさせないように動いた。しかし、そういう現状維持の外交努力が双方で「軟弱だ、なぜ立場を強固にしないのか」という国内からの批判につながってしまった。一昨年の事件は双方のいろいろな状況認識の不正確さによって、お互いに間違った措置をとってしまったと思う。
 若宮 日本の領土だから国内法で処罰するというのは、日本人には通りやすい話でした。
 宮本 しかし、そうすれば間違いなく重大な外交問題になる。
 若宮 政権も代わったばかりだったし判断が甘かった、と。
 宮本 そうですね。対する中国側は「日本が仕組んでああいう事件を起こし、国内法を初適用することで実効支配を強めようとしている」と受け取ったのではないか。
 若宮 中国が領有権の主張を始めたのは70年以降ですが、絶対に曲げられないのですか。
 趙 変えられない。両国の専門家はそれぞれ歴史的な詳細や証拠についてメディアに公開する形で意見交換をしてもいい。
 若宮 記録によると周首相は田中首相に「石油が出るから問題になった」とも話しています。その前に訪中した公明党の竹入義勝委員長には「共同開発がいい」とも。実は田中さんも同じ考え方だったようです。もし首脳会談で周さんが「将来は共同開発で」と言えば、田中さんは乗ったかもしれません。
 趙 トウ小平さんは79年5月に訪中した鈴木善幸さん(のちの首相)に「主権の問題にかかわらない前提なら、釣魚島(尖閣)付近の共同開発をしてもいい」と言い、6月には外交ルートで資源の共同開発構想を提起しました。紛争を「棚上げ」して共同開発という考え方です。
 若宮 その発想は今も生きてますか。最近は軍事的な文脈で領海拡張に頭が行っていて、それではおさまらない印象があります。
 趙 トウ小平さんの言葉でもあり、軽々しく放棄することはない。
 宮本 いまも中国の公式見解だと思います。しかし同時に中国の軍事力、とりわけ海軍力が強まっていて自然に外に出てきている。軍事上の必要と資源上の必要で、あれだけ調査船が出てきたのでしょう。
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(参考1c)双方で強硬な声、尖閣問題は危険水域に入った (朝日新聞デジタル記事2012年7月7日03時00分)http://digital.asahi.com/articles/TKY201207060466.html?ref=comkiji_txt_end
前駐中国大使・宮本雄二(みやもと・ゆうじ)さん 46年生まれ。69年に外務省に入り、中国課長、ミャンマー大使、沖縄担当大使などを歴任。06~10年に中国大使を務めた。
 若宮 東京都の石原慎太郎知事が「尖閣を購入しよう」と言い出して中国は猛反発しています。
 趙 石原さんはパフォーマンスにたけた人。連続ドラマみたいで、島に関する一幕以外にパンダについての一幕もある。次にどんな一幕が出てくるのか。
 宮本 はっきり認識した方がいいのは、尖閣の領有を日本が確信しているからといって、中国と「紛争がない」というのは事実を見ていないということ。「紛争になっても話し合わない」ではすみません。「話し合ったら領土問題があると認めたことになる」では処理しきれない。
 趙 私たちに必要なのは、我慢しつつ耐えながら長期的な視野に立った知恵を出していくこと。それを踏まえた対話がとても重要です。
 若宮 尖閣に自衛隊を置けとか勇ましいことをいう人がいます。
 宮本 尖閣問題はさらに危険水域に入った。日中の両方で強硬な声がどんどん高まっている。一方が何かすれば相手は対抗せざるをえない。そうならない知恵が必要です。
 趙 作用があれば必ず反作用がある。だからアクションをしてはいけない。中国では島に上陸しようという民間人たちに勧告し、制止しています。そんなことをしたら日本側のより大規模な上陸を招きかねない。
 若宮 それは朗報ですね。ところで、この40年間に貿易量は300倍以上、人的交流は500倍にも。
 宮本 そういう大きな文脈を忘れてはいけない。我々は巨大な共通利益を抱えており、これからの外交は個別の問題が全体に影響を及ぼさない仕組みにしなければ。それほど日中の共通利益は大きいのだと、より多くの国民に理解していただき、そこから個別の問題を見ていくことが大事です。日本は中国にGDP(国内総生産)で抜かれたという気分も克服しないと。
 趙 中日関係の困難は今後もしばらく続くかもしれない。しかし中国人も日本人も大変すばらしい民族で知恵に富んでいるから、いつまでもゴタゴタ争い続けることはないと思う。毛沢東もトウ小平(トウは登におおざと)も日本民族は偉大だと言っていますし、周さんは日本に留学の経験もあった。いま中日双方には互いの留学生がたくさんいて知日派や親中国派となっていく。その役割は大変大きい。中日は最終的に必ず前進し、新しい友好関係に進んでいくと確信しています。
 宮本 世界中、隣国同士で仲がいいところはないんです。だから我々は冷静で客観的な目標を持つべきです。中国では口げんかしても友人は友人。フランス人とドイツ人は今も悪口を言い合うが、重要なところではがっちり手を握って欧州を引っ張る二つの車輪。日中もそういう関係が現実的な将来像でしょう。
 趙 中国の昔話ですが、雁が空を飛んで行くのを見て2人の狩人が話し合う。「この雁を射落としたら、どうやって食べよう」。ああだこうだと言い合っているうちに雁は飛んで行ってしまった、と。世界には中日に共通のチャンスが多いのに、互いにいがみ合っていたらチャンスを逃してしまわないか。
 若宮 中国の人は日本に「歴史を忘れるな」とよく言います。まさにその通りと心に刻みますが、ふと見ると日本の過ちを中国が犯してしまわないかと心配にもなります。軍の強大化、ナショナリズムの高まり、あるいは戦後日本の公害であるとか経済成長による傲慢(ごうまん)さとか。
 趙 日本側から中国に大国化しないでという声を聞きますが、私はこれに反感を覚えません。これは中国に対して注意を促す言葉だととらえているからです。
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