北沢俊美防衛相の犯した過ち

ここでは北沢防衛相について筆者の感じている点を述べる。年齢72歳としては、よく頑張っている政治家ではあるが、2~3、苦言を呈したい。と云うのは、この人の残した実績は次に引き継ぐ人の規範となり得るからである。

(1)北澤俊美防衛相の行政能力に関する疑問
北沢防衛相には、普天間基地移設問題に関して、数々の発言のぶれがあった。鳩山首相自身がそうであったことが原因かもしれないが、補佐する立場の防衛相としては、逆にもっと総理の考えを主導すべきであった。この人には、始めから沖縄の抑止力としての重要性に関する認識が乏しかったところに原因があるのではないか。この人も亦、民主党の若手が纏めた沖縄の政策集に依存して、沖縄から基地を一掃するという『安全保障上の抑止力』を無視する考え方に汚染されていたのではないかと思いたくなる。

(2)北澤防衛相の連隊長叱責
北沢防衛相は、2月13日、長野市での会合で、「一番の指揮官である首相の言葉を揶揄(やゆ)する発言を幹部自衛官がすることは許し難い」と厳しく批判した。これは、宮城県・王城寺原演習場で2月10日から始まった陸自と米・陸軍との共同訓練の開始式で連隊長の中澤剛1佐が、
同盟というものは、外交や政治的な美辞麗句で維持されるものではなく、ましてや『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものではない
と発言したことに対するものであった。『信頼してくれ』と云う言葉は、去年の暮れの日米首脳会談で普天間移転先決定について、鳩山首相がオバマ大統領に対し、Trust me!と云った言葉をもじったものであるなどとするメデイアなどの報道にアジられて、北沢防衛相は、北沢一佐を批判した。

北澤防衛相は連隊長叱責で、三つの誤りを犯している。
①メデイアにアジられている。
②同盟は「信頼してくれ」などの言葉で維持されるものではなく、その言葉を発言できるだけの裏付けが必要である。中澤1佐の言葉は正しい。
③文民統制は、文民と武官が共に机を交え、語らいを共にして相互の理解を深め、相互信頼を深めたところから出発せねばならない。文民統制とは武官が自分達だけの考えで、暴走することを警戒するために考えられた統制の根幹と考えられているようであるが、文民の知恵が武官の知恵に勝るという考えに問題がある。文民と武官の壁を取り除き、両者に同等の能力を与える教育を施し、防衛に関して両者に同等の地位と発言力を与える努力をする必要がある。にもかかわらず、北澤防衛相はその文民統制の原則にとらわれ過ぎている。

(3)尖閣諸島防衛への配慮
2009年9月25日の記者会見で、
北澤俊美防衛相は、麻生前政権が次期中期防衛力整備計画(平成22~27年度)で実施を検討していた沖縄県与那国島への陸上自衛隊配備を見送る方針を表明した。北澤防衛相は、「先島諸島の防衛体制を整えることは大事だが、果たしてそこを早急に整備する必要があるのか。いたずらに近隣諸国に懸念を抱かせるようなことはせず、丁寧にやりたい」と述べ、近隣諸国への配慮であることを明言した。
そうである。近隣諸国とは中国しかない。余りにも中国に遠慮した愚劣な行為と言わねばならない。

最近の中国海軍による我が国の排他的経済水域内での目に余る横暴や、つい最近、宮古島と沖縄本島の間の我が国の排他的経済水域を、潜水艦3隻を含む10隻の海軍の艦隊が横断した事件などを視ていると、北沢防衛相は一体、何を考えているのかと言いたくなる。与那国島への自衛隊の配備は尖閣諸島防衛への要である。これが中国を刺激すると云うのか。我が国の領土の中で、何処へ自衛隊を動かそうと、これは我が国の勝手である。どうして中国の思惑に配慮せねばならないのか。

このように見て来ると、北沢防衛相は、どうやら、その任には堪えないのではないか、年齢も72歳である。実際には
もっと若い人に更迭すべきではないのか。

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この記事へのコメント

嫌虚
2010年06月12日 02:48
「いたずらに近隣諸国に疑念を抱かせるようなことはせず」と言うが、虎視眈々と狙っている泥棒猫の前の魚に、柵も儲けず、今まで計画していた網を取っ払うようなことをすれば、泥棒猫はいくらなんでも飛びつくでしょう。措置を取り止めることで、いたずらに泥棒猫を刺激して泥棒行為に走らせてしまう、と思うのは私だけでしょうか?
2010年06月12日 06:55
嫌虚 様
コメントをいただき有難うございました。全くご指摘の通りです。
この人のやることは、全く分かりません。民主党内閣自身が左派内閣で、根本に安全保障に関する考え方に決定的な問題が潜んでいるような気がします。
民主党には2008年に30代、40代の若手議員が作った沖縄ビジョンがあります。現在の民主党政権はこの案をどのように見ているのでしょうか。沖縄に関する彼らの考え方が完全に変わったことを明確に宣言しない限り、民主党は信頼できません。
なお、お暇があれば、下記の記事をご覧になってください。
http://nettaro-note.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-b835.html

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