拉致「大きな問題とは思わない」は云い過ぎである!

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3月31日、ワシントンで語る黄・元北朝鮮書記(注)

北朝鮮から韓国に亡命した北朝鮮政府の元書記・黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)氏が米国を経由して来日し、4月4~8日の間、日本に滞在した。その間、家族会の人々と面会し、中井洽・拉致問題担当相とも面会した。

彼は、北朝鮮で書記であった当時、拉致について知ってはいたが、関与していなかったことに言及し、第一、この問題には無関心であったことを告白した。彼は、韓国併合時代、日本でも学んだことがあり、日本語は巧みであり、いわば知日家と思われていた。しかし親日家かと言えば、どうもそうではないらしい。

彼は3月31日のワシントンで講演し、
日本人拉致問題について、1997年2月の亡命前から「被害者が通訳として使われていたことは知っていた」とは言及したが、自らの関与は完全に否定した
そうである。彼は関与はしていなかったことは確かであろう。拉致は金正日総書記が指令し、北朝鮮の公安が行った行為である。しかし日本からの拉致被害者がいることは知っていた。そして、それに何等の違和感も感じなかった。黄氏は書記とは言え、公安とは無関係な存在であったのだろう。違和感を感じないのも、無理からぬ話かもしれない。しかし人権を尊重するチュチェ思想の指導者であった黄氏にしては、拉致が人権無視の行為であることを疑問に思わなかったのは不思議である。

黄氏は、この講演で、さらに、
拉致は「率直に言って大きな問題とは思わない」とし、第2次世界大戦中の日本による朝鮮人被害者と拉致被害者の数を比べて「相対的に些細な問題」と指摘。「日本の懸念ももっともだが、国際的な場でより関心を集めるには、北朝鮮の人権侵害問題の本筋と関連づけるべきだ」と強調した
そうである。 確かに、朝鮮半島が日本に併合されていなければ、第2次世界大戦中に朝鮮半島が受けた被害は少なかったかもしれない。彼はその時の彼らの受けた被害と日本人拉致の被害を比較して、日本人拉致の被害は相対的に些少だとして、日本を批判しているように聞こえる。

この言には、朝鮮半島人としての日本にたいする反感が漂っているように思える。わざわざワシントンで日本の過去の非を宣伝しているようなものである。ここに半島人としての民族意識が強く漂っている。そう言って民族感情を露わにしていながら、その反面で、彼は、日本にたいしては、『日本人が北朝鮮に拉致されているという日本民族の怒りを露わにせず、拉致問題を北朝鮮の人権無視の一環として捉えるべきである』と主張している。日本人の拉致問題としてよりも北朝鮮の人権問題として捉える方が、世界的な共通概念である人権無視の概念として理解され易いという指摘である。これは、実に日本を小馬鹿にした言い方である様に聞こえる。

ただ、北朝鮮の政権を、『人権無視という世界的共通規範からの逸脱している』という視点から揺さぶるという考えは、間違っていないように思える。感情を抜きにすれば、黄・元北朝鮮書記の主張を真っ向から否定することはできない。

(注)この記事を書くにあたり、4月1日の朝日新聞のネット記事『(参考1)』を参照した。またこの記事の写真は、(参考1)から引用した。記して謝意を表する。

*********************(終わり)***********************


(参考1)拉致「大きな問題とは思わない」 黄・元書記が米で講演 (2010年4月1日10時48分) 朝日http://www.asahi.com/international/update/0401/TKY201004010121.html?ref=reca
 【ワシントン=村山祐介】北朝鮮から韓国に亡命した黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ、ヨプは火へんに華)・元朝鮮労働党書記が3月31日、訪問先のワシントン市内で講演した。日本人拉致問題について、1997年2月の亡命前から「被害者が通訳として使われていたことは知っていた」としつつも、自らの関与は完全に否定した。
 関係者によると、黄氏は4~8日に訪日し、中井洽・拉致問題担当相と面会する予定。だが、黄氏は拉致問題について、北朝鮮にいた当時は「多忙で、問題に関与する理由も興味もなかった」と説明。被害者数などの詳細は「知らなかった」と述べた。
 拉致は「率直に言って大きな問題とは思わない」とし、第2次世界大戦中の日本による朝鮮人被害者と拉致被害者の数を比べて「相対的にささいな問題」と指摘。「日本の懸念ももっともだが、国際的な場でより関心を集めるには、北朝鮮の人権侵害問題の本筋と関連づけるべきだ」と強調した。
 訪日の目的について「日韓、日米韓の連携強化に役立つため」とし、拉致被害者家族とも「要請があれば喜んで再会する」と話した。実現すれば拉致被害者家族との面会は2003年のソウル以来となるが、「大きな違いはないだろう」とも語った。
 黄氏は金正日(キム・ジョンイル)総書記も学んだ金日成(キム・イルソン)総合大学で総長を務めるなど要職を歴任し、北朝鮮の国家イデオロギー「主体思想」の創始者として知られる。訪米は2003年10月以来で、2回目。




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この記事へのコメント

yume
2010年04月09日 23:50
歴史を知らない日本のマスコミや国民の発言は国際世界でパカにされてしまうことが最近の60年のことでした。
他の国に拉致の問題で騒がすのはもう辞めないとは。
右翼も拉致問題を使いすぎる。
2010年04月10日 05:44
我が国は、他の国を「拉致の問題」で騒がせたことは一度もない。そして我が国は他の国の国民を拉致したことは一度もないし、また北朝鮮による日本国民の拉致問題で他の国を騒がせたことは一度もない。「マスコミや国民は歴史を知らない」とは、何か誤解があるように思える。
さらに「右翼も拉致問題を使い過ぎる」とは何か。北朝鮮による日本人拉致がある限り、この拉致問題については、北朝鮮の人権無視と日本侵略の非を強く訴え続けるのは当然である。我々は北朝鮮の国民を非難しているのではない。北朝鮮の金正日・専制政府の対応を非難している。このような非難には右翼も左翼もない。
第一、日本には、現政権をはじめ左翼的な思想が蔓延し始めてはいるが、右翼なるものは存在しない。貴殿は何か誤解しているのではないか。

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