日韓首脳会談での鳩山発言の問題点

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9日、青瓦台で共同記者会見する李大統領と鳩山首相

10月9日に韓国の青瓦台で行われた日韓首脳記者会見の内要の問題点について、産経新聞の記事 『(参考1a)~(参考1d)』 の内容に準拠しながら、筆者の見解を述べる。なおこの記事は、前回の筆者の記事 『ここがおかしい !!! 『日韓首脳会談】 (作成日時 : 2009/10/10 23:59) 東郷幹夫の思いつくまま日記 http://mikitogo.at.webry.info/200910/article_10.html)』と関連している。

(1)グランド・バーゲン方式への記者の疑問について
李大統領も鳩山首相も、最近の中国の温家宝首相の説得により、「北朝鮮は米朝会談を再開し、続いて6カ国協議が開催する」可能性を強調している。問題は韓国の採用しようとする北朝鮮との交渉方式、「グランド・バーゲン方式」、すなわち「北朝鮮に核・ミサイル開発からの撤退と人権問題(拉致問題)の解決を同時に実現させる」方式に、北朝鮮が乗って来るかどうかである。これには6カ国会議を通じて、5カ国が協力して北朝鮮を説得するしかない。今のところ日本の拉致問題の解決の交渉は、差し当たって行われるであろう米朝会談での米国の交渉に委ねるしかない状況である。鳩山首相はオバマ大統領に直接それを依頼したことを強調している。このように米国に依存するしか決め手がないのは、日本外交に選択肢が乏しく、迫力に欠けることを意味する。

(2)歴史認識について
鳩山首相は、「前向きに常に正しく歴史を見つめる勇気を持たねばならない。この態度を新しい政権の中でも最重要の考えとして位置づけていきたい。何よりも、“村山談話”の思いを、政府や国民が重要な考え方と受け止めねばならない。日韓関係については、ややもすると感情的になりやすい部分があるが、これを抑えるようにして、国民の理解を得て行きたいが、若干の時間がかかる」と言っている。

「前向き」とはどう云うことか。「勇気」とはどう云うことか。今まで我々は正しく歴史を見つめて来た。どうやら鳩山首相の言う正しい歴史とは我々が考える正しい歴史とは違った概念のものらしい。その違った概念は、我々の常識とは著しくかけ離れているので、それを理解するには、「前向き」とか、「勇気」という言葉が必要になるのであろう。これは、『我々が「正しい」と信じていたことを、「正しくなかった」と信じる「勇気」を持て』と言っているに等しい。このように、国民に曲がった正しくない考えを植え付けようとしても、若干の時間を要するどころか、無限の時間を要するだろう。明らかに鳩山首相の考えは、国民に自虐的思想を植え付けようということらしい。そして、『竹島は韓国領土である。対馬も韓国領土である。琉球列島や南西諸島は韓国人や、中国人に譲り渡す』 と云いたいように思える。

村山談話(詳細については、(参考2)を参照)の精神を国民に徹底させると言っているが、それでは、これまではそれが徹底されていなかったと云うのか。歴代の首相が村山談話を踏襲すると言っているではないか。日本は他国を侵略する意思など全くないのに、どこまで謝罪を繰り返さねばならないのか。謝罪を繰り返せば繰り返す程、日本は彼らの下風に立つことになる。彼らが謝罪への見返りの要求をするのを待っているようなものだ。


(3)在日地方参政権付与について
鳩山首相は、『自分自身は「在日地方参政権付与」の積極的支持者であるが、国民の情緒と感情が統一されていない』と述べている。鳩山首相が積極的支持者であること自体が間違っている。鳩山首相は、この問題に対して、『国民の情緒と感情がある』と言っているが、この言葉は間違っている。在日に地方参政権を付与する問題は、情緒や感情の問題ではなく、日本の国家体制を覆すことになりかねない重大な問題をはらんでおり、国家の存立に係る問題である。決して感情や情緒の問題ではないのである。韓国に地方参政権付与について期待を与えること自身、重大な間違いである。この間違いを犯そうとしている民主党には重大な責任がある。

(4)天皇陛下の訪韓について
鳩山首相は天皇陛下訪韓の実現が望み薄であることを、極めて婉曲に、しかも質問者にたいして極めて鄭重に否定している。韓国は、日韓併合100年を記念して、天皇陛下を韓国に呼びつけて、謝罪でもさせようと云うのか。謝罪すれば、したで、又、余分の要求が付いてくる。韓国は日韓併合の負の面ばかり強調するが、たまには、35年間に日本の行った善政を褒め称えたらどうか。韓国にインフラ整備を行い、産業を興したのは日本であり、韓国を外国の侵略から守ったのは日本である。

(5)東アジア共同体について
李大統領は、鳩山首相の言う友愛の精神に基ずいた東アジア共同体構想に、世界の流れに沿ったものであるとして、賛意を表している。そしてそれに至るまでになさねばならない多くのことがあることを指摘している。筆者は、この問題は現状では実現困難であると考える。その理由は
①米国が構成国から排除されていること、
②共同体の幹事国争いの可能性があること、
③構成国の中に覇権主義の専制軍事国家が存在すること、
④構成国の中に非民主主義・人権無視の共産主義国家が存在すること、
である。特に③と④が解決されなければ、東アジア共同体構想は実を結ばない。さらに日米同盟並びに日米安全保障条約と東アジア共同体構想は両立し得ない。


以上述べて来たように、日韓首脳共同記者会見で述べられた内容は筆者の意見と相反するものが多く、承服しかねる。

ただ、鳩山首相が韓国に間違った約束をし、将来の言質となるような失敗を犯さないように、さらには韓国人を怒らせないように用心深く発言しているのは見て取れた。この点だけは、その労を多とせねばなるまい。


****************(終わり)*******************


(参考1a)【日韓首脳共同記者会見】(下)鳩山首相「在日韓国人の地方参政権問題に対して前向きに結論を出していきたい」 (1/4ページ) (2009.10.9 20:20) 産経
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/091009/kor0910092024006-n1.htm
 --李大統領が提案した「グランド・バーゲン」(北朝鮮問題の一括妥結案)に対して、北朝鮮は拒否の意思を見せているのに、韓国は(北の問題で)主導権を握れるのか。北朝鮮の6カ国協議に復帰する可能性は?
 李大統領「北朝鮮が核開発を始めて以来、長く交渉し、たくさん経験してきた。韓国は北朝鮮の核問題において当事者という考えを持つべきだ。一括妥結という『グランド・バーゲン』の提案をし、多くの国が共感を示してくれた。北朝鮮は、韓国が提案した問題に対して深く検討すると思う。北朝鮮が核を放棄できる道を開いてくれるからだ。これは、われわれができる最後のことということも北は理解するだろう。6カ国協議は、(中国の)温家宝首相が北を訪問してからそのときに発表されたが、詳しいことは、明日の3国首脳会談で聞くことになるが、北朝鮮も6カ国協議に参加すべきだという雰囲気が国際社会にも形成されている。中国の役割を評価し、米朝会談を通じて、(北朝鮮が)6カ国協議に参加する可能性を確信している」

(参考1b)【日韓首脳共同記者会見】(下)鳩山首相「在日韓国人の地方参政権問題に対して前向きに結論を出していきたい」 (2/4ページ) (2009.10.9 20:20) 産経
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/091009/kor0910092024006-n2.htm
 --北のミサイル開発と日本人拉致問題に対する包括的な解決で意見が一致したことについて、具体的な意見交換があったか。
 鳩山首相「温家宝首相が金正日国防委員長(総書記)と会談した。ここで具体的な意見交換がされたことは事実であるようだ。ここで6カ国協議の可能性に言及したと側聞している。また米朝会談が行われる見通しになっている。先般ニューヨークに行ったとき、オバマ米大統領との首脳会談で、米朝会談を支持するとし、ただその支持する前提として6カ国協議にぜひ導いてほしいと話した。拉致問題の必要性も言及した。オバマ大統領もそれを十分に理解し、米朝協議に臨むという姿勢を示してくれたと理解している。このように中国あるいは米国が先行して北朝鮮との交渉を進めているが、あくまでも6カ国協議に北朝鮮が復帰をすることだ。復帰をした中で、李大統領が提唱しているように完全に具体的な北朝鮮のメッセージとして、すなわち意思表示、具体的な行動として核を廃棄して、拉致問題を解決するということをパッケージとして示していく。そのときに必要なことは6カ国協議の5者が共同歩調を取ることだ。共同歩調を取れれば、その先に光明を見いだすことができるということを本日の首脳会談で見いだした」

(参考1c)【日韓首脳共同記者会見】(下)鳩山首相「在日韓国人の地方参政権問題に対して前向きに結論を出していきたい」 (3/4ページ) (2009.10.9 20:20) 産経
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/091009/kor0910092024006-n3.htm
 --過去の歴史問題に対する鳩山首相の具体的な構想を聞きたい。李大統領が、日韓併合100年を迎える来年の天皇訪韓を招請したが、その実現の可能性はあるのか。在日韓国人の地方参政権問題に対する見解は?
 鳩山首相「歴史に対して前向きに常に正しく歴史を見つめる勇気を持たなければならないと、私は常に申し上げてきた。そのことを新しい政権の中でも大変重要な考えで位置づけていきたい。かつてのいわゆる“村山談話”の思いを、政府が、国民が重要な考え方と理解することがまず重要なことだ。日韓関係のことなので、ややもすると感情的になりやすい部分をおさえていかなければいけないので、国民の理解を得るためには若干の時間がかかる。在日韓国人の地方参政権問題もその中に入っている議論だ。個人的な考えはすでに知っているかもしれないが、私はこの問題に対して前向きに結論を出していきたいと考えている。これも国民の皆様の情緒と感情が統一されていない。これから、しっかりと内閣としても議論を重ねて政府として結論を見いだしていきたいと思っている。これについても時間というファクターを理解いただきたい。天皇陛下の訪韓については、天皇陛下ご自身も強く(訪韓したいという)そういう考えを持っておられると理解している。ご高齢ということや日程のこともあり、総理大臣がこのことに対してどこまでかかわれるかという問題もある。私としてはこれ以上のことを話せないが、李大統領からそのような示唆してくれたことに関しては感謝する。簡単に『わかりました』といま話せない環境というものもぜひ容赦してほしい」

(参考1d)【日韓首脳共同記者会見】(下)鳩山首相「在日韓国人の地方参政権問題に対して前向きに結論を出していきたい」 (4/4ページ) (2009.10.9 20:20) 産経
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/091009/kor0910092024006-n4.htm
 -鳩山首相が掲げる東アジア共同体構想に対して、どんな考えを示したのか。今回の会談を通して、鳩山総理との個人的な信頼がより強まったのか。
 李大統領「鳩山首相が東アジア共同体構想について話してくれた。私は世界がすでに地域別の共同体に向かっていると思っている。EU(欧州連合)をはじめ、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国はアセアンを構成しているように、東アジア共同体は望ましい構想ということに同意する。これを実現するための前提として、いろいろなことが解決されなければならないので時間が少しかかるかもしれないが、鳩山首相が『友愛』と表現したが、私たちが開かれた心で努力すれば、世界がそういう方向に流れているのに、東アジアだけが不可能だとは思わない。個人的な信頼に対しては、選挙前の訪韓の際、多くの話を交わし、考えが同じ点も多かった。韓国も多くの変化を追求している。グローバルな立場からすべてのものを考えている。日本も世界の経済大国の1国として多くの変化を成し遂げ、世界の地域とともに歩むという精神がある。個人的な考えや政策方向でかなりの共通点を持っている点で多くの信頼を抱いている。私はそうだが、鳩山総理はどう考えているのかよく分からない。いつもにまして強い信頼感を持ち、両国間の問題や東アジア地域の問題、グローバルな問題をうまく解決できると考えている」

(参考2)村山内閣総理大臣談話 「戦後50周年の終戦記念日にあたって」(いわゆる村山談話) 平成7年8月15日
http://www.mofa.go.jp/MOFAJ/press/danwa/07/dmu_0815.html
 先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、万感胸に迫るものがあります。
 敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、私は心から敬意の念を表わすものであります。ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、あらためて深甚な謝意を表明いたします。また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。
 平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも、これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづき、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。
 いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
 わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
 敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております。
 「杖るは信に如くは莫し」と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。 村山総理大臣談話 / 平成7年 / INDEX




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