大雪山系遭難の原因と今後の対策

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大雪山系トムラウシ岳

朝日の23日のネット版『(参考1a)、(参考1b)』は、7月16日に起きた大雪山系トムラウシ岳での遭難についてその原因を追及している。その内容を箇条書きにすると、大よそ次の通りである。
(1)登山者の服装の防水・防寒機能の強弱が生死の明暗を分けた、
(2)2泊3日で2000mの夏山45km縦走という計画が無理であった、
(3)雨水で体を冷やさない防水対策の有無が生死の明暗を分けた、
(4)ツアー主催旅行社に危機管理観念が薄かった。

そこで筆者は、このツアーについて、2,3の感想を述べたい。
(1)ツアー参加者の年齢は、それほど若年層ではなく、中高年の人々で、人生経験も豊富である。にもかかわらず、参加者15人の半数以上が死亡した。長い人生経験も、『北海道の夏山は恐い』という点に警戒心がなかった。
未経験の行事にたいして、十分な配慮を怠った。
(2)参加者自身、ただ安くて、短期間であるというツアーに飛びついた。国内であることもあり、参加者自身の自己管理と調査が足りなかった。
(3)ツアー主催者側の安全管理の観念が甘過ぎた。会社経営よりも命の尊さを重視すべきであった。旅行者を危険から守り、安全第一とすることが企業経営の目標でなければならなかった。アミューズトラベルはAmusemenntを優先し過ぎて、安全を怠った。Amusemennt を楽しむどころか、参加者半数以上の死亡という悲惨な最悪の事態を発生した。旅行者を絶望(Despair)のどん底に陥れた。
(4)このツアー会社は、出発前の健康、携行品と服装の厳重チェエクを行う必要があった。その結果で、携行品の貸与を行い、防水、防寒具、衣服の強制貸与(ツアー客が拒否した場合、参加を断る)も行うべきであった。
(5)ツアー会社は、安くて短期間の旅行を売り物にするのではなく、人間の命を守り、危険のない安全旅行であることを売り物にすべきである。旅行の『安価』ではなく、『安全』を売り物にすべきであった

いずれにしても、安易な旅行に参加したり、それを計画したりすることに、厳しい反省が必要である。とともにこのような計画にたいする厳重な法規制と管理体制の充実がが必要である。


********************(終わり)**********************


凍死の7人は軽装、生存者は防寒上着 大雪山系遭難(1/2ページ) (2009年7月23日3時4分)
 北海道大雪山系トムラウシ山(2141メートル)の遭難事故をめぐり、凍死したツアー客7人全員が、防寒、防水機能が低いウインドブレーカーなどの軽装だったことが道警への取材でわかった。他方、助かった10人は全員が、強い雨に長時間打たれても雨を通しにくく、防寒機能もある上着を着ていたという。
 事故は23日で1週間を迎えるが、道警は装備の差が生死を分けたとみて、死亡者の着衣を詳しく鑑定する方針だ。旅行社側が必要な防寒着の準備を客に求めていたか、ガイドらが客の服装に注意を払っていたかも調べる。
 ツアーは2泊3日で四十数キロを縦走するコースで、遭難時は55~69歳の15人に男性ガイド3人という構成だった。このうちツアー客7人、ガイド1人の8人が亡くなった。
 道警幹部によると、一行は登山中、ひんぱんに風雨に打たれ、遭難した最終日の16日も強い風雨にさらされた。北海道の2千メートル級の山は、夏でも風雨に見舞われれば体感温度は零下になるとされる。
 18人はみなフリース素材の服の上からカッパやウインドブレーカーなどの上着を着ていたが、死亡した客7人の上着は夏用とみられる生地で、発見時、雨がしみ込み、中がぬれていたという。
 体温低下を防ぐにはニット帽やフードなどで頭部から首筋を冷やさないようにする必要もあるが、死亡した7人は機能性が低いフードしかかぶっておらず、雨が首筋などを冷やし、短時間で低体温症に陥った可能性があるという。
 ただし、死亡したガイド1人は防寒機能がある上着だったという。
 ツアーを主催したアミューズトラベル(東京)の松下政市社長は19日の記者会見で、服装について「(客に配布した)装備リストに必要なものを書いている。基本的には参加者ご本人が責任を持って、それを持参していただくのが通常」と話している。

凍死の7人は軽装、生存者は防寒上着 大雪山系遭難(2/2ページ) (2009年7月23日3時4分)
 道警は22日、これとは別に、6人が遭難、1人が死亡した大雪山系美瑛岳(2052メートル)での事故についても、主催したオフィスコンパス(茨城県つくば市)の事務所兼社長宅などを業務上過失致死容疑で家宅捜索した。

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この記事へのコメント

イージー
2009年07月25日 18:50
 東郷様 Ⅰ
 かえすがえすも残念な出来事。東郷様の5つのご指定はその通りだと実感しました。
 以下、とりわけ旅行会社への酷評を許されたい。 
 
 取り敢えず操縦士の資格は有して違法とはならない事から、いちいち乗客には報告無しで副パイロットに本番の離着陸を航空会社はやらせている。単純、経験をつませるためだ。
 同じく、旅行会社もけっこう未経験ガイドのために本番ツアーを活用している。
 
 たしかに天候状態とツアー遂行の板ばさみはガイドの立場。一方、参加者の方々は、お二人の年齢をあわせるだけで軽く120歳にはなってしまう状況。
 
 それでも、まだまだご健在であるから、お年より扱いは叱られるし、だからと言って若い世代と同等扱いすると、これまた年輩者軽視しと怒りだすむずかしい年齢と、ある若いガイドたちは思っている。
 
 考えれば、この年代こそ、遊びは常に後回しで、これまでの高度成長をひたむきに支えてこられた仕事一筋の世代だ。
 ツアーに参加しても、そこは長年培った真面目さ故、遊び方にもどこか計画性を重視する真面目が先行する。次世代から見れば、遊び方まで非常に真面目で真剣なのだ。山頂をめざす山岳ツアーは、こういう世代の方々に魅力的な要素を含んでいる。(Ⅱへ続く)

 

 
イージー
2009年07月25日 18:51
 Ⅱ

 早朝に宿を発って登り、やがて尾根を縦走。しかも健脚コースだというのに日程通りにこなさなければならないハード日程。参加した以上は他の人に迷惑はかけられない。正直、歯をくいしばるが、時間経過に伴い、かならず個人差があらわれ無理が出てくる。旅行会社はそれに目をつぶっている。 

 現場は悪天候の最中(さなかに)ガイドがツアー客の異変に気付いたときにはもう遅すぎる。しかも出発まえの装備確認と指導において会社もガイドも責任を果たしていない。  
 表参道を青山通にむかって歩くのとは訳がちがう。海抜2千メートル局地での気象予報の的中率をどう学んでいるのか。このコースが未経験だったほうのガイドに「洞察力」と「決断力」は望むべくもない。これが悲劇誘発の一つであるのは万人が認める。
 
 ここで言う――
「洞察力」とは、世代や性別で異なる人の行動・心理を識別し予測する力。
「決断力」とは、不確実で一抹の不安のみも命あってと躊躇なく「トリヤメ」または「予定ヘンコウ」と発表し、お客のクレームは上に任せてその場は冷淡に突き放す力。
 
 これはジャンボ機のパイロットであろうが、幼稚園の遠足での引率であろうが、ここぞと言うときに共通して求められるプロ資格と私は考える。業界は、教訓としてこれらの犠牲を無駄にしてはならないと心すべきだ。

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