年々、増え続ける中国軍事費、今年は20兆円か?

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予想される中国の軍事費の推移(注)

最近、何年間かにわたって、中国の軍事費が急増しているそうである。(参考1)によれば、2007年度の世界の軍事費総額13,390億ドル(=133兆9千億円、ただし100円/ドル)の中で、順位と額は、

1位:米→5,490億ドル、2位:英→597億ドル、3位:中→583億ドル、4位:仏→536億ドル、5位:日→400億ドル余

であった。この時点(2007年度の時点)で、すでに日本の軍事費は中国に抜かれてしまっている。中国の軍事費は、これ以前の10年間の軍事費の3倍増となり、それでも国内総生産GDPの僅か2.1%だった。

中国の2007年度以降の軍事費は、(参考2)を参考にして推定すると、次のような推移をしていると予測される。

2007年度:583億ドル⇒(5%増)⇒2008年度:613億ドル⇒(14.9%増)⇒2009年度:705億ドル

なお、この計算では、「1人民元=0.146578米ドル」を基準とした。また、日本の2009年度の防衛費は、532億ドル(1ドル=99円で換算)であるから、2009年度の中国発表の軍事費は、日本の防衛費の、少なくとも 1.325倍である。本当の中国の軍事費は発表された軍事費よりも遥かに多いので、この程度の倍率では済まない。これについては後述する。

(参考2)によれば、李肇星報道官は3月に、『国内総生産(GDP)に占める国防費の割合は、中国は世界各国と比べ低い方だ。中国の限定的な軍事力は国家の主権と領土保全を守るためのものであり、いかなる国の脅威にもならない』と言っている。しかし我々は軍事費のGDPに占める割合ではなく、軍事費の絶対額の大きさと年々の増額の大きさを問題にしている。

さらに問題視されるのは、軍事費の額の不透明さである。(参考3)は、『中国が公表している軍事費は、事実と異なっており、実際の予算はその2倍以上と伝えられる』と述べている。 (参考2)によれば、李報道官は、このような疑いを打ち消すためであろうか、『中国は07年より国連軍事費支出報告制度に正式に参加し、毎年国連に軍事支出を報告している。中国には、いわゆる【隠れた軍事費】は存在しない』と述べたそうである。

しかし、このような弁明は、かえって、『中国の真の軍事費の額は、発表された額を上回る』ことを糊塗しようとするものであることを疑わせる。実際に(参考4)では、米国防総省が、2008年3月3日に、2008年度の中国の軍事費は1400億ドルに達することを発表しており、その具体的使途を明確にしている。この額は、中国発表の613億ドルの『2.284(=1400/613)倍』である。かりに、2008年度の日本の防衛費を 500億ドルとすると、実に日本の防衛費の『2.8倍(=1400/500 )』である。

続いて倍率2.284を使って、2009年度の中国の真の軍事費を算定すると、
705億ドル×2.284=1611億ドル⇒16兆円
となる。場合により20兆円近くの金が中国の軍事費に使われるかもしれない。

このような膨大な軍事費を支出している中国は、周辺諸国から、その意図を疑われるのは当然のことであり、そのの警戒心を高めるのは勿論のことである。すでに豪州では中国のこのような軍備増強に対抗して防衛力を高めようとしている。具体的内容は、(参考5)を参照されたい。いずれにしても中国のこのような大軍拡の直接の影響を受けるのは、周辺諸国、特に朝鮮半島、台湾、さらには日本である。中国のこのような大軍拡に対抗し、防衛するには、周辺の諸国家群で防衛集合体組織を作る以外に方法はなかろう。今こそ日本国民は一致団結してその対策を講じなければならない。早ければ早いほど良い。先ずは憲法改正から始めることである。


*******************(終わり)*********************

(注)この図は 『20年後の中国の軍事力は、日本の30倍?(2007-12-31 13:29:22)』より借用しました。記して謝意を表します。

(参考1) 中国軍事費、仏抜き3位/1位は米、現政権で急増 (2008/06/09 19:09)
 【ロンドン9日共同】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が9日に発表した2008年版の年鑑によると、07年の世界の軍事費総額は前年比実質6%増の推定1兆3390億ドル(約140兆円)に達した。中国の軍事費は583億ドルで、フランスを抜いて世界3位に浮上し、2位の英国に肉薄した。
 1位は米国で、世界の4割以上を占める5470億ドル。第2次大戦後、最大になった。01年に比べ59%増とブッシュ政権下で急拡大。年鑑は「アフガニスタンとイラクでの軍事作戦が主要因」と分析した。
 中国の軍事費は過去10年で実質3倍増と極めて高い伸びを示したが、年鑑は「経済の急速な拡大により、軍事支出は国内総生産(GDP)の2・1%と穏当なものになっている」とした。
 07年世界2位の英国は597億ドル、4位のフランスは536億ドル。日本は5位で、以下ドイツ、ロシア、サウジアラビア、イタリア、インドと続いた。

(参考2)国防費14.9%増、「隠れた軍事費」は存在せず 李肇星報道官(2009年3月5日14時40分)
 第11期全国人民代表大会(全人代)第2回会議の李肇星報道官は4日午前の記者会見で、09年の国防予算として前年度実績比14.9%増(624億8200万元増)の4806億8600万元が計上されると発表した。財政支出全体の6.3%で、過去数年と比べその割合はわずかに下がっている。
 新規増額分は主に軍人の生活待遇の向上に用いられる。このほか、軍隊の情報化建設の強化、装備費および関連施設建設費の適度の増額、情報化環境下での軍隊の防衛能力の向上、災害救助・テロ対策・治安維持といった非戦争・軍事行動分野の対応能力の強化、四川大地震で被災した部隊のインフラの再建支援にも充てられる。
 李報道官は「国内総生産(GDP)に占める国防費の割合は中国は世界各国と比べ低い方だ。中国の限定的な軍事力は国家の主権と領土保全を守るためのものであり、いかなる国の脅威にもならない。中国は07年より国連軍事費支出報告制度に正式に参加し、毎年国連に軍事支出を報告している。中国には、いわゆる『隠れた軍事費』は存在しない」と述べた。

(参考3)<大丈夫か!日本>中国の軍事費、2年前に日本抜く!今や格差は開く一方モバイル版URL : http://rchina.jp/article/28132.html
  2009年1月27日、英シンクタンク・国際戦略研究所(IISS)は報告書「ミリタリーバランス2009」を発表し、2009年は人民解放軍が中国国内から海外展開へと転換する転機になると報じた。中国は経済成長を超える速度で軍事費を急増させており、近隣諸国に大きな不安を与えている。
中国は20年連続で軍事費を二桁成長させており、経済危機にもかかわらず09年には前年比17.6%増の572億ドル(約5兆1300億円)に達した。日本の09年度予算では防衛費は4兆7740億円が計上されており、7年連続のマイナスとなる見込みだ。中国の軍事費は07年から日本を上回っており、二桁成長の中国とマイナス成長の日本との差は開く一方となっている。また公表されている軍事費は実情を反映していないと以前から批判されており、実際の予算はその2倍以上とも伝えられる。
軍事面での中国脅威論が高まるなか、中国政府は長い国境線を有するだけに一定程度の軍事力が必要だとしてその正当性を主張している。しかし近年では単なる装備の近代化にとどまらず、空母建造が取りざたされ衛星利用測位システム(GPS)の整備を進めるなど、行動範囲の拡大が目立つのが特徴だ。経済面だけではなく軍事面でも米国に次ぐ超大国・中国の台頭は日本をはじめとする近隣諸国にとって大きな脅威となってのしかかっている。(翻訳・編集/KT) 2009-01-31 09:36:01 配信

(参考4)「実際は年間1400億ドル」米国防総省、08年度「中国の軍事力」発表 (2008.3.4 18:35)
【ワシントン=古森義久】米国防総省は3日、2008年度の「中国の軍事力」報告書を発表した。同報告書は中国が不透明な体制で軍事力を大幅に増強し、台湾制圧の能力を短・中距離ミサイルの1000基以上の配備で高めるほか、海軍力の強化で尖閣諸島の領有や東シナ海の権益をめぐる紛争への対処能力を高めている実態を伝えている。中国は米国本土に届く長距離核ミサイルの強化や航空母艦の開発にも着手しているという。
 毎年、米国議会に提出される同報告書は、中国が近年、一貫して軍事力の大幅な増強を進め、2007年の公表国防費は前年より19・47%増の約500億ドルだが、実際の軍事費は年間1400億ドルにも達すると述べた。
 中国の軍備拡張の目的について同報告書は「自国防衛の消耗戦から遠隔の地での領有権や資源の獲得を争う戦いを遂行する能力の保持を目指す」とし、東アジア地域からグローバルな規模へと向かう「台頭する軍事パワー」と特徴づけ、「東アジアの軍事バランスを変え、アジア太平洋を越える意味を有する戦略的能力を向上させている」と評した。
 同報告書はまた、中国の軍事態勢が秘密にされ、その増強や背後にある戦略の実情が不透明のままだとし、こうした実態が国際社会での中国への懸念を強めていると述べた。
 同報告書は中国の軍事力の目的として台湾攻略や米国との競合、その他の国家主権の発揚をあげ、日本との尖閣諸島の領有権紛争や東シナ海でのガス田開発をめぐる排他的経済水域(EEZ)の権益争いの軍事的解決をもその主目的の一つとして指摘した。
 同報告書は中国のこうした目的の下での具体的な軍備増強行動として
(1)福建省地域で短・中距離の弾道ミサイルCSS6やCSS7の配備増強を続け、その数は合計1000基を超えた(毎年合計100基の割で増えてきた)
(2)米国本土に届く大陸間弾道核ミサイルのDF31などの質を向上させ、数を増やしている
(3)航空母艦の自国での建造に着手しつつある
(4)昨年1月の自国の宇宙衛星破壊実験で成功したように、宇宙への軍事がらみの進出に積極的になってきた(5)「宋」や「元」などの新鋭潜水艦の開発から建造に力を注ぎ、海軍力増強のペースを高め始めた
(6)空軍でもSU30MMKやFB7Aなどの攻撃機にB6機を加え長距離の爆撃や攻撃の能力を高める-などという諸点を報告した。

(参考5)豪防衛白書、海軍中心に大幅な増強計画示す
 【シドニー=岡崎哲】オーストラリア政府は2日、2000年以来9年ぶり、ラッド労働党政権としては初めてとなる防衛白書「アジア・太平洋時代の豪州防衛」を発表、2030年度までに海軍中心に大幅な軍備増強に踏み切る計画を示した。
 白書では、中国の海軍力増強などアジア・太平洋地域での軍拡競争やテロ対応のため、潜水艦を12隻に倍増するほか、軍艦に搭載する戦闘ヘリコプター24機を購入。空軍の主力戦闘機には、米などが共同開発中のF35を100機導入する。
 国防予算は現在の221億豪ドル(約1兆6000億円)から2030年度までに382億豪ドル(2兆7500億円)まで約1・7倍の規模に引き上げる。
 白書では、日米韓をアジア・太平洋地域での「重要なパートナー」に位置づける一方、中国の軍拡について、今後20年間で「アジア最強の軍事大国になる」と指摘。「中国の軍備の近代化はその不透明さのため、近隣諸国の脅威。透明化に努める必要がある」とした。
(2009年5月3日00時08分 読売新聞)




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