核廃絶の前に日本として行わねばならないこと

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4月5日に北朝鮮がテポドン2号を発射して、我が国の上空を飛び、我が国からの3000km以上離れた太平洋沖に落下した。当初、北朝鮮が宣伝していた人工衛星こそ飛ばすことはできなかったが、1998年(平成10年)8月31日に本テポドン1号が津軽海峡付近から日本列島を越え、途中、第1段目は日本海に、第2段目は三陸沖の太平洋に落下した。この時の飛翔距離が1400kmだったことに比べると、格段の進歩である。北朝鮮の弾道ミサイル技術は格段に進歩している。

上記のテポドンは日本列島を狙うものではないが、北朝鮮には日本列島を狙うノドン型弾道ミサイルが各所に配備されている。その状況は、(参考1)の23日の筆者の記事 『北朝鮮がノドンを発射した場合に、どう対処するか?(作成日時 : 2009/04/23 21:19)』 で「述べた。そして、この記事で、北朝鮮のこのような状況に対処するには、
イージス艦上で使われる艦対空ミサイルSM-3の最大通達距離は100kmと言われ、地上に配備された陸対空ミサイルPAC-3のそれは数10kmと言われる。これらのミサイルは飛来するノドンを日本本土の水際でしか攻撃できない。北朝鮮と日本本土との距離は、700km~1000km程度と推定される。飛来するノドンを日本海上空で撃破できないのであろうか。それには飛距離が350km~500kmに達するミサイルが必要である。この様に考えてくると、ノドンに対抗するには、ノドンに近い性能を持った弾道ミサイルを防衛手段として持つしかないと考えることが正解である様に思える。
と述べた。そしてここで忘れてはならない重大な事項がある。北朝鮮は核ミサイル攻撃を日本に行うということである。

核ミサイルを早期に発見し、早期に確実にこの核ミサイルを撃墜するには、その撃墜場所は上述した日本海の上空から北朝鮮寄り、それも北朝鮮に近ければ近いほど良い。仮にイージス艦から迎撃するとすれば、イージス艦を日本海のEEZラインぎりぎりに配備し、早期警戒衛星で発射を探知した北朝鮮ミサイルを、直ちに迎撃すれば、日本海EEZラインから北朝鮮までの距離を500kmとしても日本列島から750km、北朝鮮から250kmの上空で撃破できる。それと確実に撃破できるという技術の開発が必要である。海自のイージス艦の撃墜能力はどの程度なのであろうか。さらに北朝鮮ミサイルの撃破場所を北朝鮮の近く設定するとなると、この攻撃は北朝鮮のミサイル発射基地の近くになり、結局は北朝鮮ミサイル基地の攻撃ということになり、その戦術は、北朝鮮ミサイル基地の先制攻撃という戦術まで発展する。

北朝鮮の核弾道弾を撃墜する場合、撃墜場所の高度は、地球上の大気圏が500kmまで及ぶことを考えれば、撃墜された核ミサイルによる核の飛散は生物環境に影響を及ぼすことは必至である。このことを考慮すると、核ミサイルは極力、発射国の発射位置近くで撃墜され、核爆発の被害は、核ミサイルの発射国のみが受けるようにするのが得策である。

結論として、第一段階としては、日本海の生物環境、生態系に影響を及ぼすことはやむを得ないものとして、北朝鮮寄りの海域で、北朝鮮の核ミサイルを完全撃破するミサイル防衛システムの開発、もしくはミサイル基地の先制攻撃を行う弾道ミサイルの開発を行う必要がある。

仮に北朝鮮の核ミサイルが、日本のミサイル防衛システムをすり抜けて日本列島の上に落下した場合、どうするのか。日本は北朝鮮への報復はしないのか。核には核による報復という手段は、非常の場合にはありえても良いのではないか。現在、日本はアメリカの核の傘の下にいる。しかしアメリカの核の傘が日本から無くなったらどうなるのか。世界で唯一の核被爆国である我が国が核保有を忌避し、世界にその廃棄を求め続けてきた歴史は尊い。しかし米国の傘に何時までも依存することが、本当の独立国の採るべき道であろうか。(参考2)に示されるような、中川元財務相の主張するように、核の保有も検討の一つに取り上げられるべではないだろうか。

米国が日本との真の同盟国として、何時まで止まり続けるとは限らない。日本との同盟関係で、何も得るところがないということになると、同盟関係を破棄しかねない。日本としては、集団的自衛権の行使を可能にするような法整備を急ぐべきである。日本は米国の同盟国でありながら、米国が攻撃を受けてもそれを助けることができないような法律は、日米の対等の原則を破るものである。(参考3)に示されるような安部元首相の主張に賛同する。日本が、北朝鮮から発射された米国を攻撃する弾道ミサイルを水際で撃墜する手段がとれないこと自体、集団保障に反する。ミサイル発射の初期に撃破する技術の開発は、日本の防衛にも利益をもたらす。

もし日本が、飽くまでも米国の核の傘の下に入り続ける希望であれば、米国を日本から逃がすべきではない。(参考4)に示されるように、オバマ大統領の核廃絶の主張に全面的に賛成するのであれば、今さら日本が核保有を主張するわけには行くまい。麻生首相はそれを承知で、オバマ大統領の核廃絶に賛同しているのであろうか。


*******************(終わり)********************

(参考1)北朝鮮がノドンを発射した場合に、どう対処するか?(作成日時 : 2009/04/23 21:19)
(参考2)「核の議論もあっていい」=中川前財務相(2009/04/05-13:49)
 自民党の中川昭一前財務相は5日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に関し、「発射基地にどう打撃を与えるのか。核兵器の運搬システムが完成するのであればどう対抗するのか。議論の一つに核に関する議論もあってもいい」と述べた。日本の核兵器保有も含め論議が必要との考えを示したとみられる。都内で記者団の取材に答えた。
 中川氏は党政調会長だった2006年10月に北朝鮮の核保有に対抗するため核武装を「大いに議論すべきだ」と発言、波紋を呼んだことがある。(了)(2009/04/05-13:49)

(参考3)安倍元首相「集団的自衛権、解釈変更をマニフェストに」 2009年4月25日21時9分
 安倍元首相は25日、愛知県瀬戸市での講演で「集団的自衛権の行使を含めた(憲法)解釈の変更を、私たちのマニフェストに入れて選挙に臨むべきだ」と述べ、行使を禁じた政府の憲法解釈の見直しを自民党の選挙公約に掲げ、総選挙の争点にする必要があるとの考えを示した。
 安倍氏は、北朝鮮が米国に向けて撃った弾道ミサイルに対し、日本が現在の憲法解釈に従って迎撃しなかった場合には「その瞬間に日米同盟は終わりだ」と強調。「解釈を変えていくことによって日本はより安全になる」とし、集団的自衛権をめぐる解釈変更が必要だと主張した。

(参考4)麻生首相とオバマ大統領電話会談 6者再開へ連携で一致 2009年4月24日12時10分
 麻生首相は24日午前、オバマ米大統領と電話で会談し、北朝鮮のミサイル発射について6者協議の再開を目指し緊密に連携していくことで一致した。大統領は北朝鮮のミサイル発射に関連し「国連安全保障理事会の場を含め、日米間で緊密に連携できたことを評価する」と述べた。首相は「国連安保理が迅速に一致して強い内容の議長声明を発出できたことは良かった」とこたえた。
 首相は、大統領がプラハで行った核軍縮、不拡散のスピーチについて「強く支持する」と評価。大統領は「日本はこの分野のリーダーであり今後、ともに取り組んでいきたい」とした。大統領は訪日について「今年後半の訪日を楽しみにしている」と述べた。会談はオバマ大統領から電話があり、約15分間行われた。




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