北朝鮮がノドンを発射した場合に、どう対処するか?

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毎日.jp の報道(参考1)は、国際シンクタンク「国際危機グループ」(本部・ブリュッセル)が、31日、
北朝鮮が核爆弾の小型化に成功し、日本を射程に入れる中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程約1300キロ)用の核弾頭を配備した、
ことを伝える報告書を公表したことを報じている。さらにその詳細は次の通りである。
(1)ノドンの実戦配備数: 最大320基と推定、
(2)保有する核兵器数: 6~8個(韓国政府推定)、
(3)核弾頭数: 不明。
(4)ノドンの管理: 慈江道に司令部を置く独自部隊
(5)発射基地: 慈江道の司令部、両江道および平安北道の計3カ所。
(6)核弾頭貯蔵場所: 慈江道の司令部および両江道の基地近辺。

この報告書は、北朝鮮の3つの基地から320基のノドンが日本に向けて一斉に発射される可能性と、その中の数個以下の核弾頭が、同様に日本上空に飛来する可能性を示唆している。少なくとも320個のノドンはいつでも発射できる体制を整えつつあるということは確実である。国際シンクタンクの報道であるから、まさか嘘ということはないであろう。現在、日本の自衛隊が持つレーダー、データーリンク、ミサイル迎撃装置などで構成される一連のミサイル防衛(MD)システムで、万一、北朝鮮が思わぬ行動に出た時、飛来するノドンを全数撃破できるのであろうか。

イージス艦上で使われる艦対空ミサイルSM-3の最大通達距離は100kmと言われ、地上に配備された陸対空ミサイルPAC-3のそれは数10kmと言われる。これらのミサイルは飛来するノドンを日本本土の水際でしか攻撃できない。北朝鮮と日本本土との距離は、700km~1000km程度と推定される。飛来するノドンを日本海上空で撃破できないのであろうか。それには飛距離が350km~500kmに達するミサイルが必要である。この様に考えてくると、ノドンに対抗するには、ノドンに近い性能を持った弾道ミサイルを防衛手段として持つしかないと考えることが正解である様に思える。

さらにこの考えを発展させると、日本海上空でノドンを撃ち落とすよりも、ノドンの発射基地まで到達し得るノドンと同等以上の性能を持った弾道ミサイルを開発し、北朝鮮がノドンを発射すると同時、もしくはその危険が迫った寸前にその基地を攻撃することを可能とすることの方が合理的であるように思える。

(参考2)に示す23日の朝日ネットの報道によれば、在韓米軍のシャープ司令官は、22日のソウル市内での講演しの中で、『北朝鮮軍の兵力を「(弾道)ミサイル800基、特殊部隊8万人以上を維持し、核兵器6個をつくるプルトニウムを保有。11,000 個所以上の地下軍施設を構築している」と分析した』そうである。 この地下軍施設とは、弾道段発射基地の隠蔽と、逆に攻撃されるときの防御を兼ねたものであろう。彼らはすでに弾道ミサイルの基地が攻撃されることを意識しているものと思われる。彼らは当然、ノドン発射の事前あるいは事後に対する相手の攻撃を意識しているものと思われる。

如何に国民が飢えに苦しみ、経済状態が破綻状態にあっても、我が国を敵国と見做す行動を露わにしている北朝鮮体制が存在する限り、我が国は対抗手段を取らざるを得ないだろう。(参考3)の20日の北海道新聞のネット記事が示すように、自民党の中川昭一前財務・金融担当相は19日、帯広市内の自民党支部定期総会の挨拶で、「彼らは予告なしにいつでも撃ってくるという体制に一歩近づいた。われわれは、常にこのことを議論していかなければならない」と述べ、さらに「核に対抗できるのは核だ」とまで述べている。この指摘は、かなりな程度まで、正鵠(せいこう)を射た発言だと考える。


*******************(終わり)********************

(参考1)北朝鮮・核問題:小型化に成功か ノドン搭載も--国際調査機関報告(毎日 2009/04/01)
  【ジュネーブ澤田克己】安全保障問題を専門とする国際シンクタンク「国際危機グループ」(本部・ブリュッセル)は31日、北朝鮮が核爆弾の小型化に成功し、日本を射程に入れる中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程約1300キロ)用の核弾頭を配備した、との報告書を公表した。関係国政府の内部メモに基づく情報という。事実ならば日本にとって重大な脅威となる。
 報告書はまた、ノドンの実戦配備数を最大320基と見積もった。韓国政府は北朝鮮が保有する核兵器数を6~8個と推定しているが、うち何個が弾頭化されたかは不明だ。
 ノドンは慈江道に司令部を置く独自部隊によって管理され、発射基地は同司令部と両江道、平安北道の計3カ所。核弾頭は同司令部と両江道の基地近くに貯蔵されているようだという。
 報告書は北朝鮮が「人工衛星」の打ち上げ用と主張している「銀河2号」ロケットについて、長距離弾道ミサイル「テポドン2号」と同一と指摘しながらも、発射準備に数週間かかるなど実用性に難点があるため、ノドンの方が「より差し迫った脅威」と警告した。
 国際危機グループは、各国の拠出に基づき世界中の紛争について調査・報告している。理事長は日豪主導で昨年発足した「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」共同議長のエバンス元豪外相。

(参考2)北朝鮮不測事態に備えた計画完成 在韓米軍司令官が示唆 (朝日 2009年4月23日0時11分)
 【ソウル=牧野愛博】在韓米軍のシャープ司令官が22日、ソウル市内で講演し、「北朝鮮の不安定な事態に備えた作戦計画を準備している。演習も実施し、偶発事態に対応できる」と述べた。99年に基本的な想定などを定めた米韓による概念計画「5029」を、実戦に耐えうる作戦計画に格上げする作業がほぼ完了したことを示唆したものだ。
 5029は、北朝鮮が大量破壊兵器を管理できない事態や現体制の崩壊、内戦の発生などを想定。米韓両軍が、主に混乱を北朝鮮内に封じ込める軍事行動を実施する。
 シャープ司令官は準備した資料のなかで、北朝鮮軍の兵力を「(弾道)ミサイル800基、特殊部隊8万人以上を維持し、核兵器6個をつくるプルトニウムを保有。1万1千カ所以上の地下軍施設を構築している」と分析した。
 また、ソウル南方の平沢地区に建設中の新たな在韓米軍基地の完成時期を「2015年か2016年ごろになる」と説明した。

(参考3)中川前財務相「核に対抗できるのは核」 帯広で論議の必要性強調 (北海道新聞 04/19 21:51、04/20 06:53 更新)
 【帯広】自民党の中川昭一前財務・金融担当相(衆院道11区)は十九日、帯広市内での自民党支部定期総会であいさつし、「核に対抗できるのは核だ」と述べ、北朝鮮のミサイル実験に関連し、核兵器に対抗するための論議が必要との考えをあらためて表明した。
 中川氏は「核の議論をすることと核を持つことは全く別問題。相手が核を持った時には核シェルターも必要でしょうし、放射能を浴びないための医療措置も必要だ」と持論を展開。「彼らは予告なしにいつでも撃ってくるという体制に一歩近づいた。われわれは、常にこのことを議論していかなければならない」と述べた。中川氏は自民党政調会長を務めていた二〇〇六年十月にも同様の考えを述べている。




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