『オバマ大統領の核廃絶演説』について思う

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プラハで演説するオバマ米大統領(注)

4月5日、オバマ米大統領は、プラハで世界に向けて「核廃絶」の演説を行った。最初に核爆弾を開発、使用した世界で唯一つの国である米国の新大統領が、これまでは禁句とも言える核廃絶に向けた演説を行った。画期的であると言えば、まさにそのとおりであり、将来の歴史に残る大演説ということになろう。その概要を示した朝日新聞の5日のネット記事を(参考1a)と(参考1b)に示す。

オバマ大統領は「核を使用した唯一の核保有国として、行動への道義的責任がある」と言っているが、それでは、その『行動』とは、どのようなものなのであろうか。その行動の時間的範囲が問題である。その範囲には、過去も含まれねばならない。仮に、現在を含む将来の問題だとしても、その原因は過去によって作られている。行動への道義的責任は、過去から、現在を含み将来にわたるものでなければならない。筆者は、「米国には、核を使用した唯一の核保有国として、過去から、現在及び将来にわたり、行動への道義的責任がある」と考える。

米国は、太平洋戦争で、日本人の非戦闘員を70万人殺した。東京大空襲(焼夷弾)で15万人、全国諸都市への空襲で15万人(推定)、広島と長崎への原爆投下で、それぞれ20万人と10万人、沖縄戦で10万人以上を殺戮した。東京大空襲や、広島・長崎への原爆投下は仕組まれた大虐殺(holocaust)である。未だかつて、米国人からこれに関する認識を全く聞いたことがない。僅かに昨年9月2日、主要8か国(G8)下院議長会議(議長サミット)に出席するため、たまたま広島市を訪問中のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)米下院議長が、市内平和記念公園の原爆死没者慰霊碑を訪れ献花したのみである。そして米下院は日本に対し戦争中の慰安婦問題を追究する。





米国では、広島、長崎について語ることは禁句となっている。オバマ大統領はこの様な傾向にどのように対処するのか。

オバマ大統領の見解を聞きたい。


*********************(終わり)*************************

(注)この図は(参考1a)の朝日ネットより借用しました。記して謝意を表します。

(参考1a)オバマ大統領の「核廃絶」に向けた演説要旨(1/2ページ)(朝日2009年4月5日22時6分)
 米国は、核を使用した唯一の核保有国として行動への道義的責任がある。核兵器のない世界に向け、具体的な方策を取る。米国の安全保障戦略上の核兵器の役割を減らし、他国に同調するよう求める
 核弾頭と貯蔵核兵器の削減のため、ロシアと新たな戦略兵器削減条約を交渉し、年内に法的拘束力のある大胆な新合意を目指す。一層の削減に全核兵器国の参加を促す。
 核実験禁止のため、私の政権は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を直ちに目指す
 米国は核兵器用の核分裂性物質の生産を検証可能な方法で禁じる新条約(カットオフ条約)を目指す。
 我々は核不拡散条約(NPT-Nuclear non-Proliferation Treaty)を強化する。そのため国際的な査察を強化する必要がある。規則を破ったり、理由なくNPTから脱退しようとしたりする国に、すぐに実のある措置をとる必要がある。民生用原子力協力のため、国際的な核燃料バンクを含む、新たな枠組みを作り、核拡散の危険を増さずに原子力利用ができるようすべきだ。
 今朝、我々は、核の脅威に対応するため、より厳しい新たな手法が必要なことを改めて思い起こした。北朝鮮が長距離ミサイルに利用できるロケットの実験を行い、再び規則を破った。この挑発は行動の必要性を際立たせた。今こそ厳しい国際対応をとる時だ。北朝鮮は脅しや違法兵器では安全と敬意を得られないことを理解しなければならない。
 イランに対し、私の政権は相互の利益と尊敬に基づく関与を追求し、明快な選択を示す。我々はイランが査察を条件に原子力エネルギーの平和的利用の権利を認める。あるいは一層の孤立や国際圧力、中東地域での潜在的な核兵器競争を選ぶこともできる。

(参考1b)オバマ大統領の「核廃絶」に向けた演説要旨(2/2ページ)(朝日2009年4月5日22時6分)

 はっきりさせよう。イランの核や弾道ミサイルをめぐる活動は、米国だけでなく、イランの近隣諸国や我々の同盟国の現実の脅威だ。チェコとポーランドは、これらのミサイルに対する防衛施設を自国に置くことに同意した。イランの脅威が続く限り、ミサイル防衛(MD)システム配備を進める。脅威が除かれれば、欧州にMDを構築する緊急性は失われるだろう。 テロリストが核兵器を手にすることが最も差し迫った大きな脅威だ。標的になりそうな核物質を4年以内に安全な管理体制下に置くため、新たな国際的取り組みを始める。
 核物質の闇市場をつぶす取り組みも必要だ。大量破壊兵器の拡散防止構想(PSI)や核テロリズムに対抗するためのグローバル・イニシアチブ(GI)などを恒久的な国際機関に変えるべきだ。米国は1年以内に核管理に関する首脳会議を主催する。

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