日本は尖閣諸島を中国に渡してもよいのか?(その1)
日本の領海内を航行する中国の海洋調査船「海監51号」=8日午前8時50分ごろ、沖縄県の尖閣諸島・魚釣島から西方約6キロの海上(第十一管区海上保安本部提供) 注)産経新聞の記事(参考)より借用。謝意を表する。
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つい最近(11月中旬に)、台湾の活動家らが、尖閣諸島領有権主張の団体である「中華保釣協会」を発足させ、馬英九総統がこれを応援する意味の言葉を書いた掛け軸を送ったことが、報じられた。これについては(参考1)を参照されたい。
ところが先日8日に、これは又驚くべきことが起こった。 (参考2)の産経のネット報道によれば、8日午前8時10分、尖閣諸島・魚釣島南東約6キロの領海内海域に、中国の海洋調査船2隻が侵入した。第11管区海上保安本部の巡視船が発見し、領海外へ退去するよう警告したが、2隻とも、魚釣島周辺の領海内にとどまって航行した。
他の報道によれば、結局、午後5時半まで上記の領海から退去しなかったそうである。
朝日新聞の9日の朝刊は、薮中外務次官が崔・駐日大使に電話で抗議し、河村官房長官は記者会見で「中国艦船のこのような活動は極めて遺憾であり、中国政府において即時退去させるよう強く要求する」と述べたと報道している。しかし朝日新聞は、藪中次官の電話がいつかけられ、河村官房長官の発表がいつ行われたかは、明らかにしていない。恐らくは海上保安庁の巡視船の警告を無視して 、中国海洋調査船が領海侵犯を開始し始めて暫くしてからのことであろう。中国側が素直に退去しないことを見て取った後の日本政府の抗議とみてよい。にもかかわらず、彼等は午後5時半まで居座った。麻生首相は8日夜の記者会見で明らかな領海侵犯として遺憾の意を表明したそうである。彼等は確信犯なのであるから、日本政府の言うことなど聞くはずがない。
(参考3)は、『中国外務省の劉建超報道局長が、「釣魚島は古くから中国固有の領土だ。(航行は)非難される余地はない」と主張している』と報じている。河村官房長官は、会見で「尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土だ」と反論したそうである。中国は尖閣諸島周辺の海底に眠る石油資源が」欲しいだけではなく、それにも増して、尖閣諸島への示威行為は、台湾、尖閣諸島、東シナ海、朝鮮半島を結ぶ中国の第一次戦略ラインとも言うべき第一列島線の確保の序曲以外の何物でもない。
このように考えてくると、日本の対中戦略がどうなっているのか、誠に不安であり、背筋に悪寒が走るような思いがする。国籍不明潜水艦の四国沖領海侵犯の意味するもの(A) (作成日時 : 2008/09/15 23:59)で述べたように、未確認潜水艦が四国沖を9月14日に侵犯したのは、福田首相が辞意表明をした一種の政治的空白時であった。今回の尖閣諸島沖領海内への侵犯も、麻生内閣の支持率が下降したと言って、マスコミが騒いでいる時に発生した。
いかにも政治の空白時を狙って中国の日本に対する示威行為的な領海侵犯が行われている。日本の政界は、単に自己の利益のみを考えず、もっと我が国の国防という立場に立って、政党間の融和が必要である。政局不安の状態は他国に付け入る隙を与える。
我が国の防衛に当たっては、憲法9条が大きな障壁となっている。この事実を未だに頑として受け入れようとはしない多くの人たちがいる。この人たちを洗脳するのには、相当のエネルギーが必要である。我が国への侵略、拉致等々を見せつけられながら、それでも国を守ろうとする気力を持とうとしない。困ったものである。
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(参考1)尖閣諸島:台湾の活動家ら、領有権主張の団体発足(http://mainichi.jp/select/world/news/20081118ddm007030146000c.html)
【台北・庄司哲也】尖閣諸島(台湾名・釣魚台)の領有権を主張するため、台湾の活動家らが「中華保釣協会」を発足させたことが17日、分かった。協会は毎年1回、尖閣諸島へ出航するとしており、日本側とトラブルになる可能性もある。
協会幹部によると、今年6月に台湾当局から設立許可を得て、今月9日に設立大会を開いた。会員は現在70人で、台湾の有名大学の元学長らも名前を連ねている。目的について幹部は「会員を募り、活動の幅を広げるため」としている。
設立大会には馬英九総統から「心を合わせ、共に助け合う」という意味の言葉が書かれた掛け軸が届いた。台湾総統府は「総統府の担当部署が慣例で、いろいろな団体に贈っている。毎週1500本以上も発送しており、特別な意味はない」としている。 毎日新聞 2008年11月18日 東京朝刊
(参考2)中国調査船が領海内に侵入 尖閣諸島沖、海保が警告 (2008.12.8 17:00) (http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081208/plc0812081701003-n1.htm)
8日午前8時10分ごろ、尖閣諸島・魚釣島南東約6キロで、中国の海洋調査船2隻が日本の領海に侵入、航行しているのを第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船が発見した。
巡視船は、国際法上認められない航行に当たると判断し領海外へ退去するよう警告したが、2隻とも午後1時現在、魚釣島周辺の領海内にとどまって航行中。
同本部によると、調査船は海監46号(約1、100トン、全長約70メートル)と海監51号(約1、900トン、全長約90メートル)で、いずれも中国の国家海洋局所属。中国船が尖閣諸島周辺の領海内に入ったのは平成16年2月以来。
2隻ともワイヤを曳航(えいこう)するなどの調査活動は確認されていないが、巡視船が無線を使って中国語で領海外に出るよう警告を繰り返しても応じないという。午前9時40分ごろ魚釣島北東約17キロの海上で約1時間漂泊後、再び周辺を航行し始めた。
(参考3)首相が中国の領海侵入抗議へ 13日の日中首脳会談で(2008年12月9日 12時06分)(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008120901000297.html)
河村建夫官房長官は9日午前の記者会見で、中国の海洋調査船が尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の日本領海に侵入したことに関し、麻生太郎首相が13日に福岡県太宰府市で開かれる中国の温家宝首相との会談で抗議することを明らかにした。
中国外務省の劉建超報道局長は「釣魚島は古くから中国固有の領土だ。(航行は)非難される余地はない」と主張しているが、河村氏は会見で「尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土だ」と反論した。
中曽根弘文外相も記者会見で「中国には引き続き外交ルートを通じ、2度と発生しないよう申し入れる」と述べた。
(共同)
(参考4)尖閣諸島付近への調査船派遣中止せず 中国 2008.12.9 21:27 (http://sankei.jp.msn.com/world/china/081209/chn0812092128007-n1.htm)
中国外務省の劉建超報道局長は9日の定例記者会見で、中国の海洋調査船が尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の日本領海に侵入したことについて「調査船をいつ再派遣するかは中国側の事情だ」と指摘、今後も調査船の派遣を中止する考えがないことを示唆した。
劉局長は、尖閣諸島が古くから中国固有の領土だとの主張を繰り返した上で「中国が主権を有する海域で正常に航行して、何が挑発と言えるのか」と指摘。13日の日中韓首脳会談などには影響しないと強調した。(共同)
(参考5) 中国当局、活動強化を言明 尖閣諸島付近の海洋調査で(2008.12.10 12:57)(http://sankei.jp.msn.com/world/china/081210/chn0812101257003-n1.htm)
10日付の中国紙、新京報によると、中国の国家海洋局海監総隊の孫書賢副隊長は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近での海洋調査活動について「この海域の管轄を強化する」と述べ、今後活発化させる考えを明らかにした。
海監総隊は海上巡視を業務とし、8日には同総隊の調査船が約9時間、日本の領海に侵入した。
副隊長は、領有権の争いがある海域では国際法上「実効支配」の実績が重要だとの認識を示した上で「中国も(主張するだけでなく)管轄海域内で存在感を示し、有効な管轄を実現しなければならない」と語った。(共同)





この記事へのコメント
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/asia/1228809998/
朝日新聞の9日の朝刊には、詳しく報道しておりますが、確かにネット報道は少なかったようですね。朝刊の記事とネット記事は必ずしも連動していないようです。
何故なのでしょうか。
ご連絡有難うございました。
WebryBlogのサポートの方へ聞いてみます。しばらくお待ち下さい。
今回の中国の尖閣諸島領海侵犯は米国次期政権・オバマ政権に対する外交戦略の一環ではないかという見方を、次の記事で解説しております。しかし尖閣諸島が中国に占領されるとなると、大問題です。占領されたら、相当厄介なことになります。日本政府がどう考えているかが問題です。