11ヶ月の首相在任ご苦労様でした。
9月1日夜の福田首相の辞任表明には少なからず、驚いた。9月6日に福田首相の自前の内閣の閣僚が決まってから1ヶ月も経っていないからである。しかも昨年10月、安部前首相の辞任表明後、麻生太郎氏と総裁選を戦って総理の座に就いてから、11ヶ月しか経っていない。1年以内に2人も首相が辞めることなど、他の国にはありえない。確かに内閣の支持率が上がらず、低迷した。世論調査などは、その時の景気の状態、国民生活の状態に大きく左右される。アメリカのサブプライム問題に端を発した景気の低迷と石油価格の高騰、800兆ないし1000兆に及ぶ財政赤字など、マイナス要因が重なり過ぎた。
さらに参院の議員数で野党が与党を上回るという「捻じれ国会」で、議会の運営が困難を極めた。前回の国会では日銀総裁の選出で民主党の反対に遭い、決定まで2転、3転した。新テロ特措法の決定に当たっては、参院で否決され、衆院で再可決するという手法を採らざるを得なかった。さらに小沢民主党首と福田首相との間で、党を超えた協調の道が話し合われたが、民主党内の強い反対で失敗に帰した。その後、上記のようなマイナス要因が災いして福田内閣の支持率は下降の一途を辿った。
福田首相は、人心を一新すべく、9月6日に内閣改造を行った。内閣改造に当たって、福田首相は、虎を野に放っておくのが怖かったか、あるいは支持率回復を狙ったのかは知らぬが、自民党幹事長に麻生太郎氏を抜擢した。これも森嘉朗元首相や河野洋平衆院議長を介しての説得であったと言われる。そのため総裁禅譲の密約説が囁かれたほどだ。しかし真実の程は分からない。森元首相らの陰謀かもしれない。事実、森元首相などは、8月中旬のテレ朝のサンデー・プロジェクトで、次期自民党総裁は麻生太郎氏であると明言した。こういう言葉は避けるのが常識であるが、ぬけぬけとこのように言った。
次期国会を開くに当たり、開催日がなかなか決定しなかった。その理由の一つは、公明党が「所得税の定額減税」を主張して譲らず、与謝野経財相らの「減税のための財源の確保と税制の抜本改革(消費税問題を含む)」の主張と対抗したためである。また、公明党はテロ対策新特措法の議会の決議に関し、衆院持ち帰り再可決に反対した。かくして与党内の審議は難航したが、ようやく 9月12日の国会開催日が決定した。与謝野氏らは財政出動を極力抑えるべく、高々1兆3千億円程度の設定を目指している。
さらに公明党は早期解散総選挙を主張し、しかも暗に福田総理の下での総選挙は嫌っているようなそぶりを見せた。公明党は次期国会でテロ新特措法が通らなければ、日米同盟が危なくなることを忘れているか、日米同盟を重視していないということになる。与党公明党の主張が福田首相辞任の決意を促したことは間違いない。
自民党の中でも中川秀直氏らの「上げ潮派」の主張もあり、一枚岩では行かない難しさがある。そこへ来て、あろうことか、麻生幹事長が思い切って財政出動をやれと言う。彼は3兆円を主張しているようだ。
要は公明党との協調に乱れが所持はじめ、与党内部でも異なる意見が錯綜した。先の国会での苦い経験もあり、福田首相は国会乗り切りに危機感を抱い知多に違いない。
このような時期に、自民党の真・保守政策勉強会の中川昭一(元政調会長)氏は、8月23日、北海道帯広市で講演し、福田内閣の経済政策に触れて「緊急の非常対策をまず発信すべきだ。何もしていないのは政治の無責任と言わざるを得ない。このままでは日本が沈没しかねない。何も発信しない総理では駄目だ。2兆~3兆円相当の財政出動が必要だ。必要なことは何でもやって難局を乗り切るべきだ」」と首相を批判した。
麻生太郎幹事長や安倍 晋三・元首相は、中川昭一氏の真・保守政策勉強会の熱心なメンバーであり、麻生氏の財政出動発言は中川昭一の発言に一致する。どうやら、この中川氏の発言は、麻生氏を早く次期総裁に押し上げようとの意図の現れとも言えよう。
このような中川昭一氏の発言が、福田首相辞任のトリガーになったのかもしれない。もっとも福田首相は、4月ごろから辞任の意図を漏らしていたようである。前国会のねじれ減少に嫌気がさし、少なからぬ疲労を感じていたのではないかと思われる。年齢72歳は、人にもよるが、政治家はもっと若いほうがよい。
それにしても公明党の動きがよく分からない。やはり次期選挙が心配なのであろう。人気の下がった政権の下で与党として選挙戦を戦いたくないのであろう。この政党は、民主党が選挙で勝てば民主党と共同歩調を取りかねない主義節操のない政党である。
確かに福田首相が辞任すべき時期としては、今が最適に時期であったのかもしれない。福田総理による外交は極めて平和的な周囲に波乱を巻き起こさない外交であった、「日米同盟をアジア外交に共鳴させる」外交はある程度成功したのかもしれない。しかし、拉致問題、毒入り餃子問題、竹島問題、尖閣諸島問題、北方四島返還問題は一向に解決の糸口が見出されない。もし麻生太郎氏が次期総裁になれば、外交方針は少し変わるだろう。中川昭一氏らは1953年の日中共同声明の、「台湾が中国の固有の領土」声明に異議を唱えた青嵐会の流れを汲む人物と聞いている。中川氏と見解を共にする麻生氏は親台湾派である。中国には煙たい存在となろう。
小池百合子氏や野田聖子氏らの名前も挙がっているらしいが、総裁選を派手にする道具に使われるようなものだ。
候補になるとすれば、ほかに適任者がいる。中国国営中央テレビは2日午前7時からの定時ニュースは福田首相辞任を取り上げ、後継は麻生太郎氏が最有力だとし、このほかに谷垣禎一国土交通相、町村信孝官房長官の映像も流したそうだ。野田氏や小池氏についてどのように言及したかは知らない。中国の新聞の方が日本のマスコミよりも、適材を的確に掴んでいると言えるかもしれない。
いずれにしても、11ヶ月にわたる福田康夫首相のご尽力に謝意を表したい。
さらに参院の議員数で野党が与党を上回るという「捻じれ国会」で、議会の運営が困難を極めた。前回の国会では日銀総裁の選出で民主党の反対に遭い、決定まで2転、3転した。新テロ特措法の決定に当たっては、参院で否決され、衆院で再可決するという手法を採らざるを得なかった。さらに小沢民主党首と福田首相との間で、党を超えた協調の道が話し合われたが、民主党内の強い反対で失敗に帰した。その後、上記のようなマイナス要因が災いして福田内閣の支持率は下降の一途を辿った。
福田首相は、人心を一新すべく、9月6日に内閣改造を行った。内閣改造に当たって、福田首相は、虎を野に放っておくのが怖かったか、あるいは支持率回復を狙ったのかは知らぬが、自民党幹事長に麻生太郎氏を抜擢した。これも森嘉朗元首相や河野洋平衆院議長を介しての説得であったと言われる。そのため総裁禅譲の密約説が囁かれたほどだ。しかし真実の程は分からない。森元首相らの陰謀かもしれない。事実、森元首相などは、8月中旬のテレ朝のサンデー・プロジェクトで、次期自民党総裁は麻生太郎氏であると明言した。こういう言葉は避けるのが常識であるが、ぬけぬけとこのように言った。
次期国会を開くに当たり、開催日がなかなか決定しなかった。その理由の一つは、公明党が「所得税の定額減税」を主張して譲らず、与謝野経財相らの「減税のための財源の確保と税制の抜本改革(消費税問題を含む)」の主張と対抗したためである。また、公明党はテロ対策新特措法の議会の決議に関し、衆院持ち帰り再可決に反対した。かくして与党内の審議は難航したが、ようやく 9月12日の国会開催日が決定した。与謝野氏らは財政出動を極力抑えるべく、高々1兆3千億円程度の設定を目指している。
さらに公明党は早期解散総選挙を主張し、しかも暗に福田総理の下での総選挙は嫌っているようなそぶりを見せた。公明党は次期国会でテロ新特措法が通らなければ、日米同盟が危なくなることを忘れているか、日米同盟を重視していないということになる。与党公明党の主張が福田首相辞任の決意を促したことは間違いない。
自民党の中でも中川秀直氏らの「上げ潮派」の主張もあり、一枚岩では行かない難しさがある。そこへ来て、あろうことか、麻生幹事長が思い切って財政出動をやれと言う。彼は3兆円を主張しているようだ。
要は公明党との協調に乱れが所持はじめ、与党内部でも異なる意見が錯綜した。先の国会での苦い経験もあり、福田首相は国会乗り切りに危機感を抱い知多に違いない。
このような時期に、自民党の真・保守政策勉強会の中川昭一(元政調会長)氏は、8月23日、北海道帯広市で講演し、福田内閣の経済政策に触れて「緊急の非常対策をまず発信すべきだ。何もしていないのは政治の無責任と言わざるを得ない。このままでは日本が沈没しかねない。何も発信しない総理では駄目だ。2兆~3兆円相当の財政出動が必要だ。必要なことは何でもやって難局を乗り切るべきだ」」と首相を批判した。
麻生太郎幹事長や安倍 晋三・元首相は、中川昭一氏の真・保守政策勉強会の熱心なメンバーであり、麻生氏の財政出動発言は中川昭一の発言に一致する。どうやら、この中川氏の発言は、麻生氏を早く次期総裁に押し上げようとの意図の現れとも言えよう。
このような中川昭一氏の発言が、福田首相辞任のトリガーになったのかもしれない。もっとも福田首相は、4月ごろから辞任の意図を漏らしていたようである。前国会のねじれ減少に嫌気がさし、少なからぬ疲労を感じていたのではないかと思われる。年齢72歳は、人にもよるが、政治家はもっと若いほうがよい。
それにしても公明党の動きがよく分からない。やはり次期選挙が心配なのであろう。人気の下がった政権の下で与党として選挙戦を戦いたくないのであろう。この政党は、民主党が選挙で勝てば民主党と共同歩調を取りかねない主義節操のない政党である。
確かに福田首相が辞任すべき時期としては、今が最適に時期であったのかもしれない。福田総理による外交は極めて平和的な周囲に波乱を巻き起こさない外交であった、「日米同盟をアジア外交に共鳴させる」外交はある程度成功したのかもしれない。しかし、拉致問題、毒入り餃子問題、竹島問題、尖閣諸島問題、北方四島返還問題は一向に解決の糸口が見出されない。もし麻生太郎氏が次期総裁になれば、外交方針は少し変わるだろう。中川昭一氏らは1953年の日中共同声明の、「台湾が中国の固有の領土」声明に異議を唱えた青嵐会の流れを汲む人物と聞いている。中川氏と見解を共にする麻生氏は親台湾派である。中国には煙たい存在となろう。
小池百合子氏や野田聖子氏らの名前も挙がっているらしいが、総裁選を派手にする道具に使われるようなものだ。
候補になるとすれば、ほかに適任者がいる。中国国営中央テレビは2日午前7時からの定時ニュースは福田首相辞任を取り上げ、後継は麻生太郎氏が最有力だとし、このほかに谷垣禎一国土交通相、町村信孝官房長官の映像も流したそうだ。野田氏や小池氏についてどのように言及したかは知らない。中国の新聞の方が日本のマスコミよりも、適材を的確に掴んでいると言えるかもしれない。
いずれにしても、11ヶ月にわたる福田康夫首相のご尽力に謝意を表したい。
この記事へのコメント
今政界は混沌としているようです。福田首相はこのような乱世向きではなかったと思います。しかも連立を組んでいる公明党のあからさまな福田内閣に注文ばかりで肝心のところで否協力で友党とは思えない・・自己中の態度には不信感を持ちます。
麻生氏が次期総裁の本命と言われてますが、その道も茨の道かと思います。頑張ってほしいものです。
公明党はテロ対策新特措法の議会の決議に関し、衆院持ち帰り再可決に反対した
お忙しいところを、わざわざコメントをいただき、有難うございました。
公明党は、自党のしっかりした政策や主義主張がないのかもしれません。定額減税を主張して福田政権を困らせ、ご指摘のテロ新特措法の衆院持ち帰り再議決に反対して、民主党寄りの態度を見せました。これまで自民党によって庇護されてきた点が多いと思うのですが、自民党の旗色が悪くなると、離反しようとする。公明党の馬脚が現れた気がします。
自民党総裁選はなるべく多く立候補して論戦を戦わせるようにとの福田首相の希望だそうですが、最初から立候補しないと宣言された野田聖子さんは賢明だと言えます。自民党は、小沢民主党首が戦わずして再選されることを狙って、開かれた政党であることを国民にPRしたいのかもしれません。しかし小池氏や石原氏が立候補されるのは果たしてどうなのでしょうか。両氏がニュースキャスタの出身であることもあるせいか、マスコミが騒ぎすぎるような気がします。自民党には、もっと適当な豊富な経験を持ったすぐれた政治家が沢山おられるはずなのですが。