「四川大地震に、人的支援・拒否とは?」について
14日、中学校の倒壊で犠牲となった生徒を悼み、嘆き悲しむ親戚の人々(注)
「四川大地震に、人的支援・拒否とは?」について
筆者の記事 『四川大地震に、人的支援・拒否とは?<< 作成日時 : 2008/05/14 16:54 』で、
『『中国政府が、余りにも頑なに好意ある人的支援の申し出でを拒否すると、裏に何かあるのではないかと、疑いたくなる。特に震源地はチベット人が多く住む地域である。震源地であれば、当然のことかもしれないが、特に被害がひどかったことについて、中国政府に何か疚しいところがあるのではないか、すなわちこの地域のチベット人住民の住環境について漢民族とは異なるひどい差別を与えていたのではないかと疑いたくなる。
中国はこの際、思い切って、外国の人的援助を受け入れ、中国にも人権を重んじる気持ちがあることを示してもらいたい。その方が中国の国益に適っている。』』
と述べた。ところが、今日(5月15日)の産経新聞のネット記事 『四川大地震 中国政府、日本の救援隊の受け入れを表明 2008.5.15 13:07 』によれば、次のように述べている。
【北京=福島香織】中国外務省の秦剛報道官は15日、「中国政府はすでに日本政府が派遣する震災救援隊の四川省被災地における救援活動に同意した」と発表した。生存者救出のタイムリミット72時間が迫る中、空前の被災規模を前に中国政府が決断したもようだ。今回の震災で外国の人的支援の受け入れを中国が同意したのは初めて。日本政府は5億円の緊急支援のほか、人的支援を申し出ていた。(以下略)
筆者は上述したように、『中国政府に何か疚しいところがあるのではないか、すなわちこの地域のチベット人住民の住環境について漢民族とは異なるひどい差別を与えていたのではないかと疑いたくなる』などと考えた。しかしそれは誤解であったようだ。北京の日本外交筋によると、「交通インフラの分断によって被災地入りが難しい」とのことでだったようだ。さらに被災地では食料、飲料水などが決定的に不足しており、救援隊を受け入れる最低限の設備が整っていないことが理由だったようである。しかし救援隊は、そのような悪条件があるがゆえに、人命救助も含めて、それらを改善するために出動するのである。緊急の場合は、そのような遅疑逡巡は人命の被害を増大させる。
すでに5万人超の人命が奪われたことが、今朝(5月16日)の朝刊で報じられた。生き埋めになった人々の生存限界が72時間と言われている。昨日(5月15日)の午後でその限界は過ぎた。日本の国際緊急援助隊の第1陣の
31人は昨日(15日)夜、北京着。チャーター機で成都へ向かった。第2陣の30名は今日(16日)、現地に入るそうである。国際緊急援助隊はベテラン揃いで、生き埋め者の探知に必要な最新鋭機器を備えていると言う。72時間を経ても生存している人がいるかもしれない。懸命な努力を尽くし、できるだけ多くの生存者を救助されることを願ってやまない。なお、くれぐれも二次災害などにはご用心願いたい。
なお、初動の派遣人員としては60人が限度と言われているようであるが、状況によっては、もっと増派を考えても良かったのではないか。人員の派遣数は地震の規模に比例すると思われるからである。
又、72時間という限界を過ぎた現在、生き埋めの人々の生存率は急激に低下している。一人でも生存している限り、その救済に当たるのは勿論であるが、どこかで捜索を打ち切るタイムリミットを設ける必要はあろう。救援は生き残り者の探索と救出だけでなく、助かった人々への数々の援助(食料、飲料水、生活必需品の供与、医療の充実、緊急避難場所の設営等)が必要である。ただしこれらは中国の申し出で次第によることである。
今回の中国の大地震で発生した5万人を越す被害は、住宅や学校などの建造物の脆弱さによるところが多かった。地震大国とも言われるわが国は、この被害の発生原因を、他山の石として学ぶべきである。
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(注)産経新聞の記事より借用。記して謝意を表します。

この記事へのコメント
TBを有難うございました。
貴殿の詳細な面にわたる観察力に感心しました。救援隊はどの程度の装備を持って出かけたのでしょうか。
72時間というタイムリミットは過ぎていますし、どの程度の活動ができるのでしょうか。
生き埋めの人を助け出すこともさることながら、非難した人々に対するアフタ・ケアーも大切だと思います。場合により、そちらの方に方針変更をした方が賢明かもしれませんね。
いずれにしても中国側とよく相談して行動するしかないと思われます。
TBを有難うございました。
日本の救援隊に期待が寄せられているとのことですが、一人でも多くの救済ができればと思います。生き埋めの人の救済は、時間との競争ですから、中国の決断がもう少し早ければよかったと思います。中国は、ようやく韓国、ロシア、台湾等の救援隊の受け入れをも申し入れたそうです。それにしても重機を持ち込まないと瓦礫の掘り起しが不可能なようでは活動が相当に制限されることと思います。それほど今回の地震は大地震だったと言うことですね。これでは死者は5万人を超すかもしれません。
中国の急激な発展の陰で民生が疎かにされ、ついて行けなかった結果が明るみに出てきた感じです。
TBを頂き有難うございました。中国は漸く日本を始め各国の救援隊の受け入れを始めましたが、地震発生後の5日目では、決断が遅かったようです。
道路が寸断されて、重機の入れないようなひどい状態では、生き埋めの人を助ける限界は過ぎたように思えます。
残酷なようですが、生き埋めの人を助けることも続けながら、重点は生き残った被災者の救援に切り替えるべきだと思います。
中国の国際救援隊の受け入れへの決断は、遅きに過ぎました。国際社会の人命尊重に関する中国への避難をかわそうという中国指導部の思惑があったような気がしてなりません。