米国務省内で北朝鮮問題解決の方針が対立している


最近、筆者の記事 『ライス国務長官は考えを変えるべきである!!!』 および 『「ライス国務長官は考えを変えるべきである!!!」について 』 で、米国務省の北朝鮮人権問題担当のレフコウィッツ米大統領特使の見解と、それに対するライス国務長官の考えを憶測してみた。筆者の読みは、憶測の域であって、当たっているかどうかは神のみぞ知るところである。

************************************************
念のため、1月19日の朝鮮日報のネット記事『核問題:「韓中の対北対応はぬるま湯的」記事入力 : 2008/01/19 08:40:07』の報道にしたがい、米政府のジェイ・レフコウィッツ氏が、1月17日、ワシントン市内の米国企業研究所(AEI)主催の特別講義の席上で述べた内容の要約を述べておく。

同氏は、大よそ
(1)韓国と中国の両政府は北朝鮮の核問題解決に極めて甘い対応しか採っておらず、現状維持しか望んでいない。北朝鮮も核放棄に真剣でない。六カ国協議の効果には疑問がある。
(2)北朝鮮の人権問題の解決には、『ヘルシンキ・プロセス』に類似した新・対北朝鮮政策を推進すべきである。この政策では、人権問題を安全保障上の問題として扱うことになる、

と述べている。

ライス米国務長官は1月22日、レフコウィッツ氏の『北朝鮮は核放棄に真剣でなく、六カ国協議の効果に疑問を投げかける』発言をしたことについて、「6ヶ国協議で何が行われているか知らないくせに、6ヶ国協議の米国の政策にを批判する権利はない」と厳しく非難したそうである。

それではライス国務長官の考えはどうなのであろうか。ライス国務長官の代弁者でもある米国務省のデーリー 「テロ対策調整官」の考えを検討してみる。デーリー氏の見解は、

東京新聞の1月23日のネット記事 「『北朝鮮、テロ指定解除基準満たす』 米高官、拉致解決を除外 2008年1月23日 夕刊

によって明らかである。次にそれを示す。
---------------------------------------
同氏は、北朝鮮はテロ支援国家指定解除の基準を満たしている ようだ、
本当に解除するか否かは、北朝鮮の核放棄の進展に依存する、拉致問題は指定解除の障害にならない。
と述べた。
************************************************

ここで問題なのは、「北朝鮮はテロ支援国家指定解除の基準を満たしている 」と「拉致問題は指定解除の障害にならない」のくだりである。常識的に言って北朝鮮が日本人の拉致を絶対に認めようとせず、それを避けて通ろうとしている。これは重大な人権侵害であり、同時に日本の国権を無視した行為である。しかし、この拉致問題は米国人の拉致問題ではないので米国の法律の適用範囲外であること、100名からなる韓国人をインド洋の藻屑にした大韓航空機爆破事件は韓国人の問題であり、かつ20年の時効を過ぎていることから、テロ支援国家指定解除の要件は満たしているということらしい。これは主にライス国務長官の考えである。

米国務省のライス氏らの考えは、米国の法律さえ満たしておれば、同盟国の利害は無視できると言うことらしい。

人権問題を重視する民主主義国家・米国としては、明らかにライス氏のテロ支援国家指定解除に関する考え方は間違っている。

ただ筆者が、記事 『「ライス国務長官は考えを変えるべきである!!!」について』 で述べているような『重要問題』があるとすれば、日本の拉致問題は六カ国協議の対象から外さざるを得ないかもしれない。しかしそれは日本にとって困難な選択となる。念のためこの『重要問題』なるものを下記に再度記述する。
---------------------------------------
米国は、北朝鮮の核問題に早くケリをつけないと、北朝鮮が、中ソ両国陣営に取り込まれてれてしまいそうな、雰囲気が出ているのかもしれない。米国は北朝鮮が中ロに取り込まれる前に米国側に引き込んでおきたいのではないかと思われる。要するに中ロが米国と朝鮮半島で対抗するような構図は避け、北朝鮮をなるべく早く米国側に引き込みたいのではないか。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • オバマ圧勝!サウスカロライナ州でクリントン大敗

    Excerpt:   ||| オバマ、サウスカロライナ州で圧勝 ||| 速報!サウスカロライナ州民主党予備選でバラク・オバマ圧倒的勝利 黒人票半数の南部でオバマ55%、クリントン27%、エドワーズ18% とも.. Weblog: 米流時評 racked: 2008-01-27 14:00
  • 米高官の日本への言い分は一方的

    Excerpt: 最近の筆者の記事 『ライス国務長官は考えを変えるべきである!!!』、 『「ライス国務長官は考えを変えるべきである!!!」について 』 および 『米国務省内で北朝鮮問題解決の方針が対立している』 .. Weblog: 東郷 幹夫の思いつくまま日記 racked: 2008-01-27 18:20
  • オバマ政権の対北朝鮮政策を読む

    Excerpt: オバマ米新政権は北朝鮮政策をどのように進めようとしているのだろうか。(参考1)にその内容を示してある1月30日のFNNニュースの記事 『米・オバマ政権が北朝鮮政策見直しを進める中、拉致問題に外交アドバ.. Weblog: 東郷 幹夫の思いつくまま日記 racked: 2009-02-02 18:15