中国、太平洋の分割管理を米国に提案か!!!

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中国海軍の2本の太平洋戦略列島線

産経新聞の8月20日の記事は、中国、太平洋の東西分割提案か 米軍は拒否という題名の記事を掲載している。産経以外の新聞は同様な報道をしていないが、ワシントン・タイムズの記事を掲載したものであり、筆者がこれまで、幾つかの記事(参考1)で述べて来た主張を裏書し、さらにそれよりも先鋭な現実に迫るものであるので、その全文を次に示す。

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 7日付の米紙ワシントン・タイムズは、キーティング米太平洋軍司令官が最近訪中して中国軍事当局者と会談した際、中国側が、太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案したと報じた。米側は拒否したという。提案の詳細には触れていない。
 米太平洋空軍のへスター司令官は「空間を誰にも譲らないのが、われわれの方針だ」と記者団に述べ、西太平洋地域を米軍の影響下に置く必要性を強調した。
 米政府内の親中派の間では提案に前向きな受け止めもあったが、国防当局は西太平洋の覇権を中国に譲り渡す「大きな過ち」だと主張。日本などアジアの同盟国との関係を台無しにしかねないとして断ったという。(共同)

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続いて、この記事について問題を提起しながら、筆者の見解を述べる。

(1)この記事の信憑性と中国の覇権主義
この記事については、いやしくも米国の有名紙ワシントン・タイムズ紙の報道を引用したものである。偽りの情報とは言えまい。ましてや中国の覇権主義や米政府に対する中国政府のこれまでの対応を考えれば、なおさらこの報道は真実と考えられる(参考2)。

(2)太平洋東西分割境界線
太平洋を東西に分割し、東側を米国、西側を中国が管理することを提案したと報じた。米側は拒否したという。(この記事の内容は)提案の詳細には触れていない。
中国の海軍は図に示すように、その戦略的防衛ラインとして、第一列島線と第二列島線を想定している。それぞれを第一次覇権達成線と第二次覇権達成線と想定しているにちがいない。中国 は、現在第一列島線上ぎりぎりの東シナ海海域でガス田開発を進め、第一列島線固めを行なっている。中国は、韓国・北朝鮮は近い将来に中国勢力範囲となることを見越し、第一次列島線は獲得済みと考えているに違いない(参考3)。

中国はチベエットや青彊ウイグルを侵略して領土とした。その行為は台湾にも及ぼうとしている。中国は台湾を占領すれば、以前から中国領土だと主張している尖閣諸島を占領するだろう。その次は琉球列島、沖縄、日本に及ぶだろう。この段階で、中国は第二列島線を獲得したことになる。

まさか中国が主張した太平洋分割境界線は、第一列島線ということはあるまい。
中国が間もなく易々と手に入る第一列島線を境界線として提案する理由がない。中国は間違いなく東西境界線を第二列島線とすることを主張したに違いない。


(3)中国の真の意図と米国の返答
中国は、『東側を米国、西側を中国が管理する』と提案したとワシントン・タイムズ紙は報じている。米側は『これを拒否した』という。さらに、太平洋空軍のへスター司令官は「空間を誰にも譲らないのが、われわれの 方針だ」と記者団に述べ、西太平洋地域を米軍の影響下に置く必要性を強調したそうである。

これは実に、恐ろしい中国側の提案である。第二列島線以西は中国が管理するという提案は、『朝鮮半島は勿論、 日本、台湾、フイリッピンは中国が支配する。米国は、この領域から手を引け』 ということである。これは、日本に駐留する米軍は日本から出て行けという提案である。この裏には何があるか。中国が日本に駐留する米軍を攻撃し、米軍を撤退させるだけの力を持っているという事を誇示しているのである(参考4)。

(4)米政府内見解
『米政府内の親中派の間では提案に前向きな受け止めもあった』が、国防当局は西太平洋の覇権を中国に譲り渡す「大きな過ち」だと主張。日本などアジアの同盟国との関係を台無しにしかねないとして断ったという。
上記の『』内の意見は極めて重大である。この意見は、日本を見殺しにしても、自分達に経済上の莫大な利益を与えてくれる中国に肩入れしようという極めて危険な思想である。これは、日米同盟、日米安保条約を廃棄し、日本を見捨てても、中国との友好 関係を優先するという考え方である。この問題は日本としては、余程用心せねばならない。米政府内にそのような考え方が出てこないように、余程、米国の動向 を監視し、米国人の意見を日本擁護に引きずり込む必要がある。

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このような時に、現在のようにテロ特措法の延期で、国内が2分しているようでは困る。民主党の小沢一郎代表には、対中政策について確固とした方針がない。親中派ではないのかと疑うほどである。ましてや集団的自衛権などの問題には、小沢氏は盲人同様である。さらに関心を向けようとしない。政権奪取以外に眼中になく、我が国の進むべき道が見えなくなっているようでは、真の政治家とは言えない。もっと大局的立場に立った政策判断をしてもらいたいものである。もっとも小沢氏は、政権追求・奪取は巧みかもしれないが、実際に政権を担当して政策を実行したことがないから、実務経験が乏しい。日本の安全保障上、重要な決定が為されねばならない時に困ったものである。

************(終わり)************
TB先:http://ameblo.jp/servlet/TBInterface/10044052102/7b80c40a

(参考1)
『対中国外交をどのように見直すべきか?』
『日台生命共同体の再構築を急げ!!』
『中国の対日米戦略に勝利するには?』
『2007年版防衛白書 「中国部門」に思う!!!』

(参考2)中国共産党指導部は最近、頓にグローバルな動きが激しくなっている。胡錦濤国家主席は日本へは来ないが、米国、ロシアや東南アジア、アフリカへは盛んに外 遊している。米国への訪問は、中国の勢力圏の拡張を暗に強調する訪問である。彼等は米国の指導者に会う時には「3つの米中共同コミュニケ」(台湾は中国の 領土であることを主張するコミュニケ)の存在を強調し、台湾の独立を支持しないように誓約させる。米国はその都度同じ事を確認させられ。

米国大統領で、中国に最も騙されやすかったのは、ニクソンとクリントンである。クリントンは台湾について三不政策まで約束させられた。ロシアへの訪問は上 海協力機構に関する協力の強化が目的である。この機構は日米豪EUに対する対抗防衛機構である。アフリカへの訪問は石油資源の獲得を目標とした経済援助で ある。これらの一連の行動は中国の覇権主義達成のための裏付け行為である。

(参考3)現在、中国は第一列島線以西は獲得済みと考えているにちがいない。朝鮮半島は近い将来、中国に吸収される可能性があるからである。北朝鮮は中国と相互援助計画を結んでおり、中国は北朝鮮を強力に援助 している。一方、韓国は太陽政策を通じて北朝鮮と運命共同体になろうとしている。北朝鮮・韓国の知らない内に、朝鮮半島全体が中国に併呑される結果になりやすい状況にある。いずれ朝鮮半島は中国に実効支配されるだろう。

(参考4)確かに中国は日本を攻撃できる多数の弾道弾を保有し、その発射基地も増強中らしい。潜水艦の潜行能力も米海軍よりも優れているように思え る。最近ではステルス戦闘機「殲10」を開発整備中という。更に超大型原子力空母を建造開始したといわれる。衛星破壊能力も米国を上回るかもしれない。これにたいし、今後、日米がどのような対抗手段をとるかが重要な問題である。

胡錦濤 日本戦略の本音 ナショナリズムの苦悩


この記事へのコメント

信濃
2007年08月23日 18:27
この報道が事実とすれば中国指導部は、この21世紀の時代に依然として戦前の帝国主義、植民地主義、ファシズムを堅持し拡大している事になる。国際法に基づく公海を管理するとは世界の常識からすれば狂気であり、世界から隔絶したこの異常さが我国最大の脅威だという事を我々平和ボケ国民はそろそろ気がつくべきなのだが。
2007年08月24日 06:07
信濃様 コメントを頂き有難うございました。
ワシントンタイムズが偽りの記事は書かないと思うのですが。
現在の中国の異常な軍事費の増大の状況や、最新鋭戦闘機・「殲10」の開発と装備、その改造機の開発、ステルス性潜水艦の開発、宇宙戦能力の向上、超大型原子力空母の製作開始は現実のものとなりました。原子力兵器の増産、日本を攻撃可能なミサイル基地の増設等が現実に行なわれていると思われます。このような状況が続く限り、いかにミサイル防衛網が完備していても、相手の質よりも量には勝てないという限界点があります。こうなった時に、中国は米国に日本からの撤退を要求すると思います。ワシントン・タイムスの記事が仮に虚偽のものであったとしても、現在の中国の状況を見ていると、この記事のようなことは事実として起こり得ることと思います。
2007年08月24日 13:02
全く恐ろしい展開になりそうな雲行きになってきましたね。だのに日本マスコミは相変わらず国内だけに焦点を当てたまま、こうした事実を視聴者から遠ざけているようです。国民の知る権利がなおざりにされている。これでいいのか!ですよね。
最近このビッグローブのブログに、途転の力学、という世界を見渡すグローバルな視野から分析した国際状況が解説されているブログを発見しました、とても勉強になります。
皆さんもご一緒にあちらでお話しませんか?
2007年08月24日 16:11
suzuran様
コメント有難うございました。今回の問題を取り上げたのは、産経だけです。他の新聞はどう思っているのでしょうか。この記事の信憑性は本当の所は分かりませんが、小生は前々から同じようなことを感じており、これに近いことを中国海軍の指導部がキーティング米太平洋軍司令官に言った可能性はあると思います。中国は相等自信を強めて来たのだと思います。「途転の力学」へはこの記事をTBしておきました。
2007年08月26日 06:48
自力で国を守ろう!! (東郷 幹夫)
2007-08-26 06:47:03
陸奥月旦抄様
TBを頂き、有難うございました。
中国が、最近、太平洋の東西分割案を米国に提案した事が事実とすれば、貴殿の指摘される米国の力に陰りが見えてきたという事でしょうか。
こうなると日本自身何時までも全面的に米国に頼り続けるわけには行かないことになります。本気で自国を守る態勢を作り上げねばならないと思います。

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