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zoom RSS プーチン前大統領の『台湾は国家』発言は本音か?

<<   作成日時 : 2008/05/25 11:53   >>

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ロシア大統領(この図は毎日新聞ネット記事より拝借。謝意を表します。)

RadioTaiwanInternationalの2月20日の報道『ロシアのプーチン大統領、台湾を「国家」として賞賛
によれば、『ロシアのプーチン大統領は今月14日(2008年2月14日)、大統領在任中、最後の記者会見で、台湾を「国家」と呼び、また台湾の経済発展の成功を賞賛した』そうである((参考1)を参照されたい)。

この記者会見で、プーチン前大統領は、世界中で、この過去20年間に、証券と資産の面で、急成長を遂げた国家を列挙し、偉大な成果だと賞賛した。列挙された国家は、台湾、マレーシア、シンガポール、中国およびロシアの順であった。プーチン前大統領は最後にロシアを置くことを忘れなかった。自分の政治方針が間違いでなかったことを確認して見せたかったのかもしれない。

この報道は、プーチン前大統領が、最初に台湾を取り上げたこと、しかも国家として取り上げたことに注目しており、「前大統領がまさか『うっかりミス』で、『台湾を国家と呼んだ』とは思われない」ことを強調したいのではないかと思われる。

しかし果たしてそうであろうか。筆者はプーチン前大統領の目的がどの辺にあるかについてはよく理解できない。ロシアは中国の『台湾は中国領土』すなわち『中国は一つ』政策に理解を示していると言われる。しかも、ロシアは中国との間に軍事面や国境地域での信頼関係の強化に資することも考慮し、カザフスタン・ウズベキスタン・キルギスタン・タジキスタンの中央アジアの4カ国も含めて、2001年6月15日に上海協力機構を創設しており、この機構による協力関係は今も続いている。特に最近では、ロシアには、中央アジアのロシア離れや米国によるヨーロッパでのミサイル防衛構想(MD)に対抗する必要がある。また中国には、人権問題、宗教問題、異民族統治問題、台湾問題などで米国に対抗せねばならない常態にある。この上海協力機構は中ロの対米協力戦線構築のための機構とも受け取ることができる。

このような中ロの対米防衛的な密接な関係がありながら、ロシアは『中国は一つ』政策を無視してまで、台湾を国家として認めるであろうか。

もし敢えてロシアが台湾を国家と見做そうとしていることが事実であるとし、これを肯定したとしよう。その根拠は何かと言うことになる。
話は少し古くなるが、昨年(2007年)8月に、キーティング米太平洋軍司令官が最近訪中して中国軍事当局者と会談した際、中国側が、太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案したことが報じられたた。米側は勿論これを拒否したという。その後の報道では、その二分ラインがハワイ島の西側沖であることが判明した。想像を絶する人を食った話である。しかも、あろうことか、米政府内の親中派の間では提案に前向きな受け止めもあったと言われる。この件については、筆者の記事、
日本としては中国海軍の太平洋二分案を看過できない!(作成日時 : 2008/04/24 13:13 )』 や、『中国、太平洋の分割管理を米国に提案か!!! (作成日時 : 2007/08/22 14:09)』を参照されたい。

中国のこの提案は中国と米国で太平洋を二分しようと言うものであり、勿論、ロシアは含まれていない。そして日本、台湾、朝鮮半島は中国圏内に入ると言うことである。この結果、ロシアはヨーロッパ側の大西洋にもロシアに面する海を持たず、アジアでも太平洋への出口を中国に封じ込められ、地政学的、戦略的に最悪の状態となる。

ロシアは、最近の中国の軍備の増強振りと、軍事技術の高度化をよく知っている。中国の軍事力、特に海軍力と宇宙軍事力、ネット軍事技術などが、ロシアをも脅かしかねないことを恐れ始めているのではないか。ロシアは太平洋二分論の実現のための中国の最初の突破口は、中国による台湾占領であることをよく知っている。この結果、台湾を早急に国家として独立させることが、ロシアにとっても有利であることを見抜いているのではないかと思われる。


ロシアのごく最近の中国に対する不信感を記述した報道は(参考2)の報道に見受けられる。上記の仮説は、筆者の勝手なしかも大胆な憶測である。到底、ありもしない荒唐無稽な考えとして一笑に付せられるかもしれない。しかし昨日の敵は今日の友ではなくて、昨日の友は今日の敵になりうることを、ロシアは警戒せねばならない。

-------------------(終わり)-----------------

(参考1)『ロシアのプーチン大統領、台湾を「国家」として賞賛
●ロシアのプーチン大統領が、台湾を「国家」と称し、また台湾の経済発展を賞賛した。ロシア大統領府が発表したニュースリリースによると、ロシアのプーチン大統領は今月14日(2008年2月14日)、大統領任期期間中としては最後の大型記者会見で、台湾を「国家」と称し、また台湾の経済発展の成功を賞賛した。ロシア政府は長い間、北京当局の「1つの中国」政策を支持しており、台湾を「国家」と呼ぶことは異例。
●プーチン大統領はこの記者会見において、過去20年間、世界では少数の国家のみが、証券と資産の方面で、急速な成長を遂げたとし、これらの国家の多くはアジア各地に点在していると指摘、台湾、マレーシア、シンガポール、中国などの国の名前を例としてあげた。プーチン大統領はまた、「現在、ロシアもこれらの国々の仲間入りをした。これは偉大なる成果だ」と述べた。
●なお、プーチン大統領のほかにも、アメリカのブッシュ大統領が数回にわたり、台湾のことを「国家」と称した。2002年、ブッシュ大統領は台湾の国名を「リパブリック・オブ・タイワン」、すなわち「台湾共和国」と呼び、北京当局の強い抗議を受けたことがある。

(参考2)中ロ、経済協力すきま風 首脳会談でも調整難航 (2008年05月24日23時41分)
●【北京=大野正美】ロシアのメドベージェフ新大統領と胡錦濤(フー・チンタオ)・中国国家主席は23日に北京で開いた首脳会談で、米国が進めるミサイル防衛(MD)計画への反対で一致するなど、「対米牽制(けんせい)」姿勢で共同歩調を示した。だが、経済や軍事技術分野の協力を巡っては最近、両国にきしみが目立っており、首脳会談でも調整は進まなかった。
●ロシアは、グルジアやウクライナなど旧ソ連構成国の北大西洋条約機構(NATO)加盟への後押しや、東欧へのMD施設配備などの米国の動きを大きな脅威と見ている。強まる経済力を背景に独自の対外政策を進める中国にも、民主主義や人権の問題で米国よりはるかに立場が近く、チベット問題でも中国政府を全面支持するロシアと組んで「多極的な世界」の構築を進めることは利益となる。
●24日、北京大学で講演したメドベージェフ大統領は「ロシアと中国の戦略的協力関係は、すべての国を喜ばせるわけではないが、両国民の利益となる」と強調し、大きな拍手を受けた。
●だが、対米姿勢を中心とする外交政策を除けば、関係は微妙だ。07年の中ロの貿易額は400億ドルを超え、前年比4割以上の伸びを示したが、ロシアの輸出は原油や木材などの資源に偏り、中国から工業製品が大量に輸出される構造を受け、ロシア側が85億ドルの輸入超過となった。
●特に石油や天然ガスの輸送パイプライン用の鋼管は、安い中国製の輸出が07年第3四半期だけで前年比8倍の伸びを示し、ロシアの鋼管メーカーが中国側に輸出自粛を求める事態に。また、中国製自動車の輸入急増を受け、ロシア政府は昨秋、中国の自動車メーカー4社の組み立て工場建設申請を却下。中国側から「公正な条件での競争を避けている」との不満を招いた。
●中国による第三国への武器輸出も火種だ。中国は、ロシアからライセンス供与を受けて生産したスホイ27戦闘機にそっくりなJ11B戦闘機を開発、パキスタンなどに売り込みを図っているとされる。中東やアフリカなどロシア兵器の主な市場にも、連続ミサイル発射装置など中国製のコピー兵器が出回り、ロシア側は法的措置も辞さない構えだ。
●ロシア紙「独立新聞」によると、最大の武器輸出先だった中国への輸出額は昨年、前年より60%以上減った。
●コメルサント紙によると、メドベージェフ大統領は23日の首脳会談で、武器輸出を中心にした軍事技術協力の落ち込みや、中ロ間のエネルギー協力に展望が見えない現状の改善を強く求めたが、具体的な成果はあがらなかった。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
東郷さま

このプーチン前大統領の発言は意識的発言だと感じました。発言の最初に台湾を取り上げ、しかも国家として取り上げた事は注目に値します。
両国は現在友好関係を保ってますが、中国の成長度がロシアが想像したより早い事は、他方でロシアに警戒心を生むと思います。それを意識してそのような中国にとって最も触れて欲しくない台湾をあえて、国家として扱う事で中国に圧力を掛けたのかも知れません??

さすがKGB出身なだけに、脅しに長けていると思います。
容子の部屋
2008/05/25 23:17
容子様

コメントを有難うございました。
確かにプーチン前大統領のように、冷静で術策に長けた用意周到な人が、間違えて「台湾を国家として発言」したとは思えません。意識しての発言であったことは間違いないでしょう。

問題は単に中国に圧力をかけ、牽制するだけのものだったのでしょうか。ロシアは台湾が中国に占領され、確実に中国領土とされることによって発生する中国による東シナ海封鎖を脅威と感じ始めているのではないかと思えるのですが。
東郷幹夫
2008/05/26 05:41
散策 様
TBを有難うございました。
早川議員なる人物は、児童ポルノ禁止法などという法律は、何も国民の声を聞かなくても立案すればよいのではないかと思います。国民の声を聞きたいというところに、何か自信の無さを感じます。
「国民の声を聞く」という美名に隠れて、自分のブログへの視聴率を高め、選挙の得票に繋げようとしているのではないかと思われる?
東郷幹夫
2008/06/05 17:44
途転の力学 さま
TBを頂き、有難うございました。
貴殿の記事、『中国包囲網』につきましては、発想の異なる思い切った話の展開であると思います。だいぶ、話は奥深いものがあるようですから、よく検討させていただきたいと思います。
東郷幹夫
2008/06/05 17:50

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